読書はAI全盛時代の
差別化ポイントになる

AIはディープラーニング(深層学習)という技術で進化してきた。
ディープラーニングは、人間の学習法、つまり読書を真似たものだ。
読書を習慣にしていると、ディープラーニングを繰り返すことでAIが賢くなるように、
ビジネスパーソンも二流から一流へ、そして一流から超一流へと自らを成長させられる。

加えてAI時代には、これまで以上に人間らしさが重視される。
それがAIには逆立ちしても得られない素養だからだ。
読書は人間に関する理解を深めるから、
厳しい時代をサバイブしようとするビジネスパーソンにとって、
AI全盛時代の差別化ポイントになる。

さきほど未来志向の読書術だと宣言したが、
だからといって過去に出版された私の読書本と完全に断絶しているわけではない。
私はつねに本質しか書かないから、共通する部分は、きちんと伝えていきたい。

本質とは、時代が変わっても色あせない物事のエッセンスである。
したがって、哲学書の重要性、平時の読書法と戦時の読書法、クリスタライズ(結晶化)、インプットとアウトプット、学歴より学習歴といった内容に関してきちんと伝えていく。

本が売れない時代だという。
街角からリアル書店が次々と姿を消してしまい、
経営的に危機を迎えている出版社も少なくないと聞く。

そんな時代に逆行するような本だが、
本書が読書の価値にあらためて目を向けるきっかけとなれば幸いである。

【次回へ続く】

堀 紘一(ほり・こういち)
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、読売新聞経済部を経て、73年から三菱商事に勤務。ハーバード・ビジネススクールでMBA with High Distinction(Baker Scholar)を日本人として初めて取得後、ボストンコンサルティンググループで国内外の一流企業の経営戦略策定を支援する。89年より同社代表取締役社長。2000年6月、ベンチャー企業の支援・コンサルティングを行うドリームインキュベータを設立、代表取締役社長に就任。05年9月、同社を東証1部に上場させる。現在、取締役ファウンダ