三碧新人を育てる鍵は
上司・先輩との「サシ飲み」にあり!?

 続いては、「雷の三碧」の新入社員についてお話しましょう。
 三碧の新入社員は、明るく活発な子がとても多い傾向にあります。
 ちょっとお調子者が多いとも言えるかもしれません。
 しかし、そんな見た目と裏腹に「心配性」な気質は、他の「ナインコード」と比較してもダントツで一番なんです(なかなか言葉には出しませんが……)。

 三碧を象徴するのは「雷」。
 雷の姿をイメージしてください。
 人間の神経のような形をしていませんか?
 これは三碧の人間が「神経質」であることを示しています。
 ですので、心配事をため込んでしまう傾向がありますし、それがたまりすぎると、仕事も何も手がつきません。
 ですので、上司と先輩の一番の役割は、その不安と心配を取り除いてあげることが何より大切です。

 三碧の人は未来志向で、「やりたいこと」に関しては自ら進んでどんどんやっていきます。
 行動力はものすごくあり、誰かが軽い気持ちで「君がやりたいならやってみれば?」と言えば、次の日にはさっそく行動をスタートして、周囲を驚かせることもあるぐらいです。

 ですが、これこそが三碧の最大の魅力です。
 やりたいことに対して気持ちが入れば、誰より早く動き、その大枠を作ってくれます。新規プロジェクトなどをするときはスタートダッシュを決める大事な役割を果たしてくれるでしょう。

 ここで上の立場の者にとって重要なのが、三碧の新入社員には「怒る」のは逆効果ということです。

 怒りたくなる気持ちもわかります。
 三碧は気分屋ですし、興味を持ったこと以外は手を抜くこともあります。
 飽きっぽいので途中で物事を辞めてしまうこともあります。

 ですが、はっきり言います。

 彼らの才力を活かしたいのならば、「怒る」のは封印してください。
 彼らは、さっきも言った通り、物凄く神経質で心配性です。
 まるで子どもみたいなのですが……怒怒られると萎縮してしまい、本来の力を出せなくなってしまうのです。
 それがさらに悪い方向にいくと変な反骨心が芽生え、あなたの言うことなど聞かなくなってしまいます。下手をすると会社を辞めます。

 三碧の新入社員を活かすポイントは、まず上司や先輩であるあなたが、彼らを飲みの場にでも誘って、彼らのホンネを聞くことから始まります。

「何がしたくてこの会社に入ったのか?」
「将来はどんな仕事をしたいのか?」
 を固くなりすぎずに聞きながら心の距離を近めていくのです。
 そして、それに関係する仕事になるべく関わらせてあげることが彼らの能力を開花させる近道となります。
 やりたいこと、「夢」。そこに、極力不安なことがない状態で三碧の人間を関わらせたら、すごい行動力とスピードで物事を成し遂げてくれます。

 もともと早熟の人間が多い三碧ですので、若い頃の行いが大事です。
 即戦力になりやすい「ナインコード」ですので、事務仕事などは極力避け、様々な経験を積ませてあげましょう。
 自分の仕事が人の役に立ち、未来をつくっていくという社会性を彼らが実感できたとき、三碧の人の幸福感は高まります。

 あと、何か雰囲気が滞った場に、三碧の人間を連れていくのもよいでしょう。
 雷はその場に活力を与えるという能力が備わっています。
 何かしらの刺激を与えてくれますので、1年目の社員といえども軽視はできません。基本「やりたいこと」ベースで考え、現実的か否かは二の次に考える気質があるので、何か常識では考えられないアイデアや発言で、その場の雰囲気を変えてくれます。

 何を言っても、決して否定や怒ってはいけませんよ(笑)。
 認めてあげて、褒めてあげさえすれば、彼らはどんどんアイデアを発言してきます。これが想像力豊かな三碧の長所でもありますので、ぜひ磨いてあげてくださいね。

 さて、今年の新入社員の傾向と、成長への対策をお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?

 これらはまだほんの一部ですので、詳しくは本書でチェックしてほしいところですが、ここに書いたことだけでも覚えて、新入社員たちに施してあげるだけで、彼らはイキイキと仕事をするようになって、想像以上の成果を入社1年目から果たしてくれると確信しています。

 彼らを活かすも活かさないも、上司や先輩である、あなたにかかっています。
 ぜひ、ナインコードを活かして、彼らの才力を最大限に発揮させてあげてくださいね。それが、会社の未来にもつながるはずです。

中野 博(Hiroshi Nakano)
信和義塾大學校創設者兼塾長、経営コンサルタント
早稲田大学商学部卒業。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院ブランディング実践講座エグゼグティブコースを修める。ハーバードビジネススクールでは経営学を学ぶ(いずれも短期集中型の経営者クラス)。1992年、地球サミットに国連認定ジャーナリストとして参加したことを契機に環境ジャーナリストとして活動。1997年の地球温暖化防止京都会議を機に、株式会社エコライフ研究所設立。環境ジャーナリストとしての取材・分析力と経営コンサルタントとしての提案力をベースに、800社以上を環境ビジネスに参入させ成果を挙げる。その傍ら、住宅、環境を軸にした本を多数出版(本書が30冊目)。講演依頼も多く、国内外で2000回以上の実績。2005年、教育研修会社の株式会社ゴクーを設立。1万人のサンプリングを体系化した『9code(ナインコード)』をもとに、信和義塾大學校で指導にあたるほか、企業や各種組織で『9code』を利用したコンサルティングや人材活用研修も多い。現在、信和義塾大學校は、世界6ヵ国20都市以上にあり、塾生は700名超。