アウトフレーム工法は、家具が配置しやすい

 価格を抑えるため部屋の広さ(専有面積)を広げず、室内の有効面積を増やすため柱型を外に出す「アウトフレーム工法」を採用したのもこの頃です。これにより室内の有効面積が増えました。

 

アウトフレーム工法とは

 

 さらに、「逆梁ハイサッシ」で採光をより良くして開放感を増加させるなど、空間的な質が向上していきました。

 アウトフレーム工法は、室内に柱の出っ張りがないため家具も配置しやすいです。

 逆梁ハイサッシは、通常、床スラブの下側(サッシの上部)に位置する梁をバルコニーの外側に出し、床スラブの上で吊る形になるため、サッシを高くすることができます。

 またこの頃、東京都中央区の工場跡地である佃島に、のちにタワーマンションの代名詞ともいわれる8棟のタワーマンション「大川端リバーシティ21」が建築されました。

 なかでも1999年竣工の「センチュリーパークタワー」は地上54階建て、1棟で754戸というスケールで、ウォーターフロント再開発の先進事例ともいわれています。200年以降に続く「大規模開発・超高層タワーマンション」ブームの先駆けとなりました。

 この背景には、1990年代に企業の不良債権処理が進んだことによって、都心部の寮・社宅や周辺部の工場跡地が放出されたことが影響しています。大型プロジェクトが進めやすくなったためです。

 1999年には「住宅品質確保促進法」が制定され、「住宅性能表示制度」がスタートすることになりました。

 この年代の中古マンションを購入する場合は、まず1990年代前半の物件なのか、後半の物件なのかを確認します。そして次の項目は必ず確認しましょう。

・床スラブの厚さはどうか

・床仕上げは「直張り」ではなく「二重床」か

・天井は「二重天井」か

・「アウトフレーム工法」など家具の配置はしやすいか

・制振や免震構造が採用されているか