YouTuberは
身近で信頼できる存在
なぜ、インフルエンサーが特に10代、20代の若者に人気なのでしょうか。
理由は彼らが「身近な存在」だからです。
例えば、人気YouTuberの多くは、一般人です。
普通の学生だったり、同世代の若者だったり。テレビに出ている芸能人と比べても、YouTuberのほうが、同じクラスにいそうな、親しみやすい雰囲気の人が多い印象です。
単に見た目や雰囲気だけではありません。
人気YouTuberは、自分たちで動画を撮って編集している人がほとんどです。
つまり、自分たちの目線で、興味をもっているものを紹介し、自分たちの言葉で伝えているということ。
芸能人であれば、所属事務所やテレビ番組の方針によってキャラクターがつくられたり、プライベートは一切見せたりしないこともあります。YouTuberの場合、キャラクターを設定しているとしても、そのアイデアは自身で考えたものなので、視聴者にはごく自然な振る舞いとして受け入れられます。
いずれにしても、この身近さが支持されているポイントなのです。
身近であるということは、「よりリアル(な存在)である」とも言えます。
例えば、人気YouTuberがおすすめのプチプラ(低価格)コスメ(化粧品)を動画で紹介したとします。視聴者は、あたかも友達が気に入っている商品として、そのコスメに興味をもつのです。
この「リアルさ」は、人気YouTuber自身、意識しているところです。
コスメ動画であれば、素顔(すっぴん)で登場し、最新商品を使ったメイクのビフォアー・アフターを紹介して、その効果をわかりやすく紹介。ビフォアー・アフターとの比較により商品の効果が一目瞭然なのはもちろんですが、あえて素顔をユーザーにさらすことで、より身近な存在、共感できる存在であることを伝えることもできます。
かつては憧れのモデルが使うコスメと同じものを使いたいというニーズのほうが高かったかもしれません。しかし今は、身近な存在であるYouTuberが自分たちと同じ悩みを解決するアイテムとして紹介してくれたコスメのほうが、リアルで信頼できると感じるのです。
芸能人であればCM契約をした企業の商品を、自分が好きか嫌いかは関係なく紹介するかもしれませんが、インフルエンサーは違います。企業からお金をもらってすすめるときは「PRである」ことを明示し、かつ自分でも気に入ったものしかおすすめしない人も多い。こうした「嘘のなさ」が若者からの信頼につながり、絶大な支持を得ています。
彼らにとっては、信頼は一番のブランドなのです。
インフルエンサーマーケティングを理解する上でも、インフルエンサーが若者に支持されている理由を知っておくことはとても重要なのです。
※次回は、動画を始めるなら有料と無料、どちらがいいかについてお伝えします。
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著者からのメッセージ
「動画をつくってみたものの、まったく見られていないんです……」
「SNSやホームページで案内をしているのに、何の反応もありません」
こうした悩みをよく耳にします。
なぜ、多くの人に動画を見てもらえないのでしょうか。
・予算がなく、質の高い動画をつくれなかったから?
・動画に有名人が出ていないから?
・そもそも、わが社(私)が無名だから?
答えは、すべて「ノー」です。
・予算がなくても
・有名人が出ていなくても
・中小企業や無名の方であっても
多くの人に見てもらえる動画はつくれます。
インターネット上で多くの人に情報が伝わっていくこと。
本書ではこれを「拡散」と呼びます。
ご存じのとおり、コンテンツはつくっただけでは届きません。
つくって、届けて、広げていく。
人々に情報が確実に届くためには、この一連の「流れ」が必要なのです。
本書ではこの方法をお伝えしたいと思います。
おもな目次
はじめに 9割以上の企業が「やってみたけど、反応なし」
第1章 知らない人も多い! 動画の超・基礎知識
・毎年マーケットが成長し続けている
・数万円あれば、制作から配信までおこなえる
・とにかく「質」より「量」を重視すべき
・5Gの登場で可能性が広がっている
・「インフルエンサー」を知らずして拡散はできない
・YouTuberが10代、20代からの圧倒的な支持を得ている理由
・新規ユーザーと既存ユーザー、大切なのはどっち?
・有料チャンネルと無料チャンネル、有利なのはどっち?
・無料コンテンツで収益化をはかるための「必須アイテム」
・だれでもできる、トレンドをつかむコツ
・押さえておきたい「ゲーム実況」ジャンル
第2章 「拡散する動画」コンテンツのつくり方
・どうすればバズる動画をつくれるのか
・動画制作はプロに頼むべきか
・企画段階で再生回数やシェアをどう見込むか
・動画は流行を追いかけるべきか
・動画の長さはどのくらいがベストか
・本題に入る前にユーザーが離脱してしまう
・字幕は入れたほうがいいか
・タイトルには自社商品名は必要か
・大げさなタイトルは避けたほうがいい?
・クリックされやすいサムネイルのコツ
・再生回数が伸びないときは
・注目されたいときは炎上マーケティングもアリ?
・TikTokのようなショートムービーは、企業のPRにも使えるか
第3章 「人を集めるライブ配信」コンテンツのつくり方
・「ライブ配信」とはどんなコンテンツか
・ライブ配信は「相互性」が最大の魅力
・ライブ配信で人気の、3つの配信形式とは
・動画に比べてライブ配信の視聴者数は少ないが…
・企業にとってのライブ配信・7つのメリットとは
・ライブ配信に必要な機材は?
・クリエイターとライバー、それぞれに求められている能力は?
・ライバーとしてのスキルを試す方法はあるか
・ライバーはどのように収入を得ているのか
・ライブ配信で気をつけるべきことは?
第4章 「拡散する動画・ライブ配信」の運用方法
・動画の配信時刻はいつがベスト?
・チャンネルのトップ画面に何を置くべきか
・タグは付けたほうがいいか
・企業の場合、チャンネルとサムネイルの設定は?
コメントには返信すべきか
コメント欄が炎上してしまったら
第5章 拡散効果のはかり方と分析の仕方
・最初はどの数字に注目すべきか
・分析ツールの、何を見ればいいか
・改善・改良を効率的に進める方法とは
・トラフィックソース(動画の流入元)で重視すべき点は?
・どのくらい拡散しているか、分析する方法はあるか
・どこにKPIを定めればいいか
第6章 インフルエンサーをマーケティングに活用する
・どんなインフルエンサーに依頼すればいいか
・芸能人やアナウンサーを使えば、さらに拡散するのでは?
・好感度の高い人をキャスティングすべきか
・インフルエンサーを使ってみたが、商品が売れない
・好条件を提示したのに断られるのはなぜ?
・視聴者に「タイアップ」だと知られたくないのだが…
巻末付録
【巻末特典1】インフルエンサー対談/ゆうこすさん/SUSURU(すする)さん
【巻末特典2】動画・ライブ配信に必要な機材
著者プロフィール
飯田祐基(いいだ・ゆうき)
株式会社ライバー 取締役会長 ファウンダー
学生時代からネットラジオやニコニコ生放送の配信者として人気を集める。配信者時代は、自身の影響力を用いてファミリーマートの商品開発等に関わったり、グリーのCMコンテストで優勝し賞金100万円を獲得するなど個人の影響力を使ったビジネスを展開。大学中退後、インフルエンサーマーケティングのパイオニアとして様々な企業チャンネルの運営、番組・動画制作を経験。
22歳で株式会社テクサ(現・株式会社ライバー)を設立し、インフルエンサーを起用した効果的なプロモーションと動画・ライブ配信広告を専門に、次世代のインターネットメディアを牽引していく。
代表的な制作実績としては、インターネットで活躍する歌い手の番組「ひきこもりでも◯◯したい!」が全12回で4000万再生以上。ライブ配信で同時接続数日本一の専属タレント「コレコレ」ほか、影響力があるクリエイター3000人と提携している。書籍『バズる動画・ライブ配信 確実に拡散するしくみ』が初の著書となる。