Chan氏らは、今回の研究結果から、ヨーグルトに含まれる「ラクトバチルス・ブルガリクス」「ストレプトコッカス・サーモフィルス」と呼ばれる乳酸菌が、がんの原因となる腸内の化学物質の低減に有益である可能性が示唆されたとしている。また、ヨーグルトには腸内の酸化を抑える働きがあり、善玉菌が棲みつくのに適した環境を整えるほか、炎症を抑えることでがんリスクの低減につながる可能性が考えられるという。

 この研究には関与していない、米レノックス・ヒル病院で炎症性腸疾患(IBD)を専門とするArun Swaminath氏は「女性において、ヨーグルトの摂取と大腸腺腫の形成との関連が認められなかった理由は不明だ」と指摘。また、生きたまま腸まで届き、腸内環境を整えるのに有益な微生物である「プロバイオティクス」を豊富に含むかどうかで効果に差が生じるか否かも明らかになっていないとしている。

 ただ、今回の研究は、ヨーグルトを食べると大腸がんが予防できることを示したものではない。Chan氏らは「この結果は別の集団で検証する必要があるほか、ヨーグルトが腸内細菌叢に与える影響のメカニズムについて、さらに研究を重ねていく必要がある」と述べている。

 一方、Swaminath氏は「いずれにせよ、普段の食事にヨーグルトを取り入れることは簡単にできるはずだ」と述べ、「腸内細菌のバランスを整えるために、肉料理をヨーグルトに置き換えてもよい」と助言している。(HealthDay News 2019年6月18日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/colon-cancer-news-96/yogurt-might-help-men-avoid-colon-cancer-study-747548.html

Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.