「お客さま」という言葉遣いを徹底する
もう1つ、必ず実践していただきたいのは「お客さま」という言葉遣いをすることです。日本経済が絶好調だった時代のビジネスパーソンの中には、お客さまのことを平気で「客」という人がいます。大切なお客さまのことを丁寧に扱う気持ちを持つこと、それを日々の行動で実践することは非常に重要です。
また、これは日々の習慣にする必要があります。もし普段から「客」と言う人や大切なお客さまを「さんづけ」しない人は、そのような言葉遣いをすべきでない場面で大切なお客さまを呼び捨てにしたりということをやってしまいかねません。
「良い会社を見分ける」3つの質問
ちなみに少し話が脱線しますが、私は名古屋大学経済学部の客員教授をしているので、学生に「良い会社の見分け方」について話をすることがあります。そのときはいつも「面接で企業の担当者に3つの質問をしなさい」とアドバイスしています。
その1つめは「御社の一番大きなお客さまはどこですか?」という質問です。一番大きなお客さまは、その会社にとって一番大事なお客さまであるはずです。その会社名を言うときに、ちゃんと「さん」づけしているかどうかがチェックポイントです。
もし一番大切なお客さまを呼び捨てにするようであれば、それは社員教育がなっていないことの現れだといえます。社員教育の根幹は、お客さまに対する感謝の気持ちを持つことだからです。
2つめは「御社のミッション、ビジョンは何ですか?」という質問です。ミッションやビジョンは、大きな企業であれば社員に配っている手帳などに書かれていることが多いのですが、質問した相手が手帳を見ないと言えないようだったら「最も根幹になっているその企業の考え方が教えられていない」ということを意味します。それでは、単なる烏合の衆です。
3つめは、「会社に来るのは楽しいですか? ルンルン気分で来ていますか?」という質問です。面接を担当している人が「会社が辛いな」と思っていたら、それは良い会社とはいえません。本来、仕事というのは楽しくやらないと良い仕事はできないものなのです。
成功している人で、「仕事が楽しくない」という人がいるでしょうか?
もちろん、仕事というのは楽なものではありませんが、それを楽しくやれるかどうかということはとても大事なのです。
さて、ここで挙げたことのうち、ちょっとでも「できていないかもしれない」と思うことがあれば、せっかくですから今日から実践してください。何事も、行動に移さなければ変わらないのです。
【行動習慣Checkリスト】
・誰に対してもきちんと挨拶する。
・ご飯を食べたら、作ってくれた人に必ず「ご馳走さま」を言う。
・「客」という言葉遣いをやめ、必ず「お客さま」と言う。大切なお客さまを「さんづけ」する。