なぜ炭酸飲料の摂取により死亡リスクが高まるのだろうか。Murphy氏は、炭酸飲料は体重増加や肥満を招くだけでなく、ホルモンの一つであるインスリンの働きにも影響を及ぼし、炎症を引き起こす可能性があると指摘し、こうしたこと全てがさまざまな疾患の原因となり、寿命の短縮につながるのではないかとの考えを示している。同氏は、人工的に甘くした炭酸飲料がいかにして死亡リスクを上昇させるのかを突き止めるには、さらなる研究が必要だと話す。
一方、飲料や甘味料の業界関係者からは、消費者に対して今回の研究結果には過剰に反応しないでほしいとの声が上がっている。その一人、米カロリー・コントロール協議会(Calorie Control Council)代表のRobert Rankin氏は「低カロリーやカロリーゼロの甘味料は体重管理が必要な人や糖尿病患者にとって重要なツールだ」と強調。同協議会のメディカルアドバイザーであるKeri Peterson氏も「低カロリーやカロリーゼロの甘味料の安全性は世界各国の規制当局や行政機関で繰り返し確認されている」と付け加えている。
しかし、米ノースウェル・ヘルスのロングアイランド・ジューイッシュ・フォレスト・ヒルズ病院のMaria Anton氏は「炭酸飲料などの砂糖や人工甘味料が添加された飲料は、体重増加や血糖コントロール不良をもたらし、糖尿病などの既存疾患を悪化させる」と指摘。米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスのSamantha Heller氏も、「企業のマーケティングや宣伝が甘い飲料の消費をあおっているが、こうした飲料を摂取する必要性はまったくない」と話し、炭酸飲料の代わりに水や炭酸水、茶を飲むことを勧めている。(HealthDay News 2019年9月3日)
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