コメントを介した、
ライバーと視聴者のコミュニケーションが魅力

ライブ配信の雑談番組を初めて見た人は「どうしてこんなとりとめのない番組に人が集まるんだ?」と不思議に思うかもしれません。ただ日常の他愛ない話をするだけ。第三者にとって有益と思えるような情報はありません。

「今日は学校で抜き打ちテストがあったんだよね」
「電車で咳する人いるじゃん。マスクしてほしいよね」

本当にこういった雑談をしているだけなのです。
このような雑談がコンテンツとして成立しているのは、視聴者がライバーに親近感を持っているからです。裏を返せば、親近感の持てる人は、ライバーとして才能があるかもしれません。

ライバーの雑談に対して、視聴者はコメントを投稿します。そのコメントにライバーが反応すると、視聴者はうれしい気持ちになる。そのような相互作用が、雑談の中で起こっています。
みなさんも、友達と雑談するときは、特に知りたいことや教えたい情報があるわけでもないのに、言葉のやり取りをしているだけで楽しいですよね。雑談の視聴者にはそれと同じような感覚があるのです。

コメント機能がないと、視聴者からは「知らない人が画面の向こうで一方的に話しているだけ」という状況になってしまうので、まったくおもしろくありません。

ところが、「視聴者が自らコメントができる」「ライバーがコメントを見ながら内容を変えていく」「視聴者の参加意識が高まる」といった相互作用が働くことで、どんどん視聴者が増えて、その番組自体が盛り上がっていきます。視聴者がファンとして定着すれば、人気ライバーへの道も拓けます。
このように、ライブ配信において相互性はなくてはならないものです。

相互性がなければ、リアルタイム配信であっても、ライブ配信の定義からは外れてしまいます。例えばアーティストのコンサートを生中継で配信したものなどは、コメント機能がなければライブ配信というよりも動画に近いかもしれません。
プラットフォームは同じでも、相互性がなければ、「収録した動画」という「完成品」をいち早く届けているのと同じだからです。この場合、ライブ配信というよりも、「ライブ中継」と呼ぶべきかもしれません。

ライバーと視聴者の間で起こる化学反応こそが、ライブ配信の醍醐味であり、視聴者を呼ぶ最重要要素となります。
つまり、ライブ配信は、「視聴者とつくり上げる、未完成品」であることに魅力があるともいえます。

※次回は、企業にとってライブ配信・7つのメリットについてお伝えします(10月16日公開予定)。