なお、CDC副所長のAnne Schuchat氏は「THCを含まないニコチン含有製品も、肺疾患の原因にはならないとは言い切れない。したがって、CDCは引き続き、全ての電子タバコ製品の使用を控えることを推奨する」と強調している。
現時点で明らかなのは、こうした肺疾患は突然、重篤な状態に陥る可能性があるということだ。主な症状は咳や息切れ、胸痛など。患者の中には呼吸困難のため酸素吸入や人工呼吸器が必要になった人もいた。
CDCによる今回の新しいデータが公表される2週間前には、米国で最も売れている電子タバコ製品「Juul」のうち、フルーツなど一部のフレーバー付き製品の販売が中止されることが発表された。AP通信によれば、このような企業側の決断の背景には、フレーバー付きのニコチン製品が、ティーンエージャーのニコチン中毒や電子タバコ蔓延のきっかけとなっているとの批判が広がったことが挙げられる。また、トランプ政権も、ほぼ全てのフレーバー付き電子タバコ製品の販売を禁止する方針を発表している。
ただ、「Juul」で販売中止となるのはマンゴーやクリーム、フルーツ、キュウリのフレーバーが付いた製品のみで、人気のミントやメントールについては引き続き販売されることが決まっている。このような対応について、反タバコ団体「キャンペーン・フォー・タバコフリー・キッズ」のMatthew Myers氏は「若者の電子タバコの使用に対し、企業は真剣に向き合っていない」と批判。政府に対し、タバコを除く全てのフレーバー付き電子タバコ製品の販売禁止を強く求めている。(HealthDay News 2019年10月31日)
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