著書累計200万部突破! 「人生100年時代」といわれる今、テレビ、新聞、雑誌で話題沸騰の「きくち体操」入魂の書! 『おしりが上がる驚異のきくち体操』の著者である菊池和子先生(現在85歳)が、50年以上の「きくち体操」の歴史のなかで、のべ100万人以上のおしりを触ってたどり着いた、超・健康の極意をお伝えします。
おしりが上がれば、自然とお腹も凹み、姿勢がよくなります。見た目も若く健康的になり、肩・腰・ひざの痛みも消えて、尿トラブルも解消します。健康寿命も延び、認知症も予防できます。
この連載では、「おしりが上がるきくち体操」の実践方法を、基本から紹介していきます。他の体操とは考え方がまるで違い、動く前に意識を変えていただく必要があるため、体操の前にお伝えしたいお話からゆっくり始めていきます。また、85歳にして驚きの若さをキープする菊池和子先生の意外な習慣などについてもご紹介していきます。
年齢を重ねると体の悩みは尽きません。でも大丈夫、あきらめないでください。痛いところや動かないところがあっても誰でもできる方法で、脳と体をよみがえらせていただきたいと思います。
クルマ社会になって、人は歩けなくなった
今、高齢者が車を運転することが大問題になっていますね。
昔は、歩いていけるところに商店街があって、お店の人や近所の人とおしゃべりを楽しみながら、毎日買い物をしたものでした。ところがクルマ社会になって、大きなショッピングセンターばかりになり、そういった街の小さな商店はつぶれてしまって、車がなくては生活できなくなってしまいました。
私は昔、地方の保健所に頼まれて、よく地方を回って体操を教えていたのですが、バブルのころでしょうか、農業のさかんなある地方の町に行ってびっくりしたことがありました。一軒一軒の家の前に、それぞれ車が何台も並んでいる。「住んでいる人の人数だけありますよ」と保健所の人が言うのです。もう、1人1台の時代になっていたのですね。これはいけない、小さい巡回バスとかの公共交通機関を作ってなんとかみんなが足を使える方法を考えないと全滅だわ。そう思って保健所の人に言ったのですが、残念ながら本当にそのとおりになってしまいました。歩けないうえに車の運転もできなくなり、みんな困り果てています。
車のことはひとつの例で、ほかの電化製品でもなんでも同じです。私たちが便利を追い求めてきたツケが今来ているのであって、本当は、便利と健康は決して仲良しにはなれないんです。便利になればなるほど病人は増えていきます。
それでもまだまだ便利を追求していこうとする世の中で、最期まで自分の足で歩き、食べ、考えて生きるにはどうしたらいいか。それをずっと考えて「きくち体操」をやってきました。
そして行き着いたのが、「おしり」です。