コーヒーは豆で買うべきか、粉で買うべきか。味にはどのくらい影響するのか。自宅でコーヒーを淹れる人にとっては悩ましい問題だ。世界のトップ・バリスタの一人であり、世界中でバリスタを育成する井崎英典氏はこの悩みにどう答えるのか。テレビで話題沸騰!井崎氏の著書『ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方』から、その内容の一部を紹介する(撮影:京嶋良太)。

コーヒーは豆で買うべきか、粉で買うべきか

「コーヒーは豆で買うべきか、粉で買うべきか」――この問題に関して、これまで本当にたくさんの方々からご相談を受けてきました。

その背景はさまざまだと思います。そもそもコーヒーを挽くためのグラインダーを持っていない、価格が高い、グラインダーは持っているが挽くのが面倒臭い、性能やデザインがあまり好きではない……など。

単刀直入に申し上げますと、私は絶対にコーヒーは「豆」で買うべきだと思っています。理由はシンプルです。

一般的にコーヒーは挽いた瞬間から劣化が始まります。豆の状態と比べて、挽いた瞬間にコーヒー豆の表面積は劇的に増加し、空気と触れる面積が増え、劣化も急速に進行するからです。豆そのものの香りよりも、挽いた際の粉の香りが強いのはこのためです。

当然コーヒーを購入する際は、豆、粉にかかわらず、同じ値段を払って購入することになります。しかし、前述の通り、豆の状態と粉の状態では劣化スピードがまるで別物です。

つまり、豆であっても粉であっても値段は同じなのに、劣化スピードは粉の方が断然速く、損得で考えると、大損してしまうことにもなります。

豆で買ったあの人はまだコーヒーを楽しんでいるのに、粉で買ってしまった私のコーヒーはもう飲めたものじゃない、ということになりかねません。

ですので、品質とコスパで考えれば断然豆をおすすめします。コーヒーはたくさん飲むけど、グラインダーを持っていないという方は、ぜひグラインダーを買いましょう!

しかし、ここまで言っても、粉で買いたいという方には妥協案があります。

ぜひ、「1週間で使いきれる量のコーヒー」を購入してください。少量ずつ購入することで、大量購入に比べれば比較的劣化を防ぐことが可能です。面倒ではありますが、美味しいコーヒーは毎日飲みたい、でも毎日コーヒー豆を挽くのは面倒、という方への妥協案です。

ただし、理想は豆のまま購入し、抽出の直前に挽くことです。これだけはお忘れなく!