毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」から、入浴で自律神経と腸の働きを最大限に働きかけるにはどうすればいいのかの、エッセンスを紹介します。
首を温めることが何より大事
残念ながらシャワーを浴びるだけでは、深部体温を上げることはできません。むしろ、シャワーが皮膚を刺激することで交感神経が高まり、自律神経のバランスが乱れやすくなります。とはいえ、どうしても入浴できない日もあるでしょう。そんなときは、シャワーで首を温めるようにしてください。
首が温まると、脳の視索前野というところにある体温をコントロールするセンサーが働き、血管が拡張して副交感神経が高まります。
温める場所は、首のつけ根と後ろ側です。首のつけ根には、交感神経の塊である「星状 神経節」というものがあり、頭、肩、首などの血流を調整しています。ここを温めると交感神経が低下して、副交感神経が優位になります。また、首の後ろには太い血管が走っているので、ここを温めることで視索前野が反応します。