日産自動車の新体制に早くも暗雲が垂れ込めている。トロイカ体制の一角である関潤・副最高執行責任者(副COO)が年内にも退任し、日本電産社長として電撃移籍することになったのだ。なぜこのタイミングで日産を辞めるのか。関氏本人がダイヤモンド編集部の取材に応じた。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)
新体制の混乱は必至
日産を襲う三重苦
12月に発足したばかりの日産自動車の新体制が脆くも崩れた。内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)、アシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)らとトロイカ体制を築くはずだったナンバースリーの関潤・副最高執行責任者(副COO)が年内にも退任し、日本電産社長として電撃移籍することになったのだ。
目下のところ、日産には「三重苦」が襲っている。めどが立たない業績悪化、仏ルノーの日産への支配力拡大、4月からのカルロス・ゴーン氏訴訟の3つがそうだ。難局に立たされているこのタイミングで、経営上層部が抜けることは日産にとっては大打撃だ。渦中の人である関潤COOがダイヤモンド編集部の取材に応じた。
辞める理由は「社長になりたかったから。
それだけです」
──今、日産の経営は大変な時にある。経営上層部の立場にありながら、このタイミングで辞めるのはなぜですか。
日産のアライアンスのゴタゴタで辞めるわけではありません。経営の混乱がまったくないとは言いませんが、それを理由に私が出ていくわけではありません。