2019年度9月期決算の売上高は過去最高、営業利益も増益となり成長を続ける株式会社サイバーエージェント。同社は「はたらきがいのある会社」としても注目度が高まっている人気企業だ。社員クチコミサイト「オープンワーク」のデータでは総合ランキング24位に食い込み、「職場の風通しの良さ」のスコアも2400社中46位にランクインしている。
過去には、3年連続離職率30%の暗黒時代もあった同社が変化したのはなぜなのか? CHRO(最高人事責任者)の曽山哲人氏に、『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』の著者・北野唯我氏が組織づくりのポリシーを聞いた。(構成/樺山美夏)

業績を分けるポイントは「エモ」が動くかどうか

北野唯我(以下、北野) サイバーエージェントさんは、オープンワーク社の「風通しの良さ」のスコアで、2400社中トップ50にランクインしていたんですよ。まさに「OPENNESS(オープネス)」の高い企業だと思うのですが、こうした組織文化をつくることは意識されていますか?

曽山哲人(以下、曽山) 僕らは「オープネス」という言葉は使っていませんでしたが、「社員を大事にする」ことは、経営戦略として重視してきました。

きっかけは、2000年から2003年の間、3年連続離職率30%が続いたことです。そのときはじめて役員で合宿して、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンが決まりました。では、どういう会社になればいいのか? と議論して、「社員が自慢したくなる会社」、「役員と社員がよくコミュニケーションしている会社」にしようという話になった。「会社が社員を大事にすると、きっと社員も会社を大事にしてくれる。そうすれば業績も上がるはずだよね」と、社長の藤田も含めて意思決定を行ったんです。

具体的なアクションとしては、まず役員が社員と食事に行くことにしました。僕のペースだと週に4回は社員とランチか飲みに行ってるので、1回あたり5人だとすると1週間に20人、月80人、年間1000人ぐらいの社員と食事に行っていますね。

北野 その取り組みは業績につながったんですか?

曽山 はい、明らかに業績につながりますね。会社に対して「自分が頑張ったぶん、何かきっと返ってくるだろう」という期待感を持てるようになると、人は仕事の最後のディティールまでこだわってやるようになる。ここ一番の場面で「粘り」が出ると僕は思っています。

さらに、人間関係の質が高くなると今度は組織に粘りが出る。「あの人のために頑張ろう」と行動するので、結果的に業績が上がるんです。人の力が業績を左右する当社のような企業では、最終的に差がつくのは、「エモ」(感情)の部分なんですよね。