桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮されたロングセラー『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。
理系に関心を持たせるベストな方法
「子どもに家事を手伝わせる時間があったら勉強させたい」と考える親もいます。
実は、母親自身、気づいていないかもしれませんが、家事には理系の要素がたくさん含まれています。
だから、理系が苦手な女の子にとって、家事はお母さんと楽しくおしゃべりしながら、その概念を身につけることができる重要なチャンスと言えます。
たとえば、料理では、いろいろな食材を包丁で切ります。そのときに、漫然と切るのではなく、「この豆腐を、こういうふうに斜めに切ったら、表面はどういう形になるかしら」と、子どもと一緒に考えながら切ることだってできます。
立体的なものの切り口を、平面のプリントに示された図だけで理解したり、見えない補助線を引くことは、空間概念に弱い女の子の脳は苦手です。
しかし、日常の家事の中で経験を積めば、そのイメージをつかむことができます。
そのために、味噌汁の中に入っている豆腐が三角形になっていても、そんなことはどうでもいいではありませんか。
熱を加えることで固形の調味料が溶けたり、調味料を入れることで沸点が変化することも、すべて理系の要素です。
洗濯ものをピンチハンガーに干すときには、洗濯ものの大きさや重さを考えないとバランスが取れません。いかにバランス良く干すかを考える作業も、理系の思考を磨きます。
おそらく、母親もかつて理系が苦手だったことでしょう。だから、母娘二人してトンチンカンなことをやってしまうかもしれません。それでいいのです。
「やだ、お母さん。間違ってるよ」と大笑いしながら学べる場を、子どもに与えてあげましょう。