「効果的なしつけ」2つのタイプ

 つまり、階段での悪さと母親の注意の因果関係をいったん破壊するのだ。その代わり、娘が家族のルールを守ってお行儀よくしていたときには、娘にだけ注意を向け、豊かな交流を楽しめばいい。

 私のアドバイスに従い、娘が本を投げるのではなく本のページをひらくと、母親は惜しみなく褒めつづけ、娘にたっぷりと注意を払った。するとほんの数日で、娘は本を投げるのをやめたのである。

 ときにはもっと直接的な介入が必要な状況もある。その場合には懲罰を与えるべきであり、専門家のあいだでは、懲罰には二つのタイプがあるとされている。

 第一のタイプは「返答型弱化」と呼ばれる懲罰だ。これは、思わず反射してしまう性質を利用している。たとえばコンロにさわれば、すぐに手はやけどを負い、もうコンロにはさわってはならないと学習する。この無意識に身につける習性には大きなパワーがある。

 研究によれば、子どもはみずから間違いを犯すことを認められ、その結果を身をもって体験したときに、その行為をしてはならないと強く肝に銘じる。これは、もっとも効果があるとよく知られている懲罰の手法だ。

 第二のタイプは親がなにかをとりあげる懲罰で、その名も「除去的弱化」という手法だ。たとえば、あなたの息子が妹をぶったとしよう。そこであなたは、友人のお誕生会に息子を行かせないことにする。もしくは、タイムアウトをおこなう。