【新型コロナウイルス】一斉休校で売上4~6倍に 親子で読める「歴史本」の需要が急増した理由Photo: Adobe Stock

 新型コロナウィルスが経済に及ぼす影響が懸念される中、マスクやトイレットペーパーのほかに売上が急上昇した意外な商品がある。小中高校が臨時休校となったことで書店に親子が殺到し、児童書・学習参考書が売れているのだ。

 なかでも人気があるのが、マンガやイラストを多用した「笑える」歴史本。江戸幕府を作った徳川家康は、じつは戦が怖くてウンコを漏らしたことがある…など「やばい」エピソードが満載のダイヤモンド社の『東大教授がおしえる やばい日本史』は、文部科学省から教育委員会へ休校要請の通知をした2月28日の売り上げは前日の2倍、29日は4倍になり、急遽2万部の重版を決定。同じシリーズの『やばい世界史』も1万部重版が決定し、シリーズ累計46万部となった。

 ダイヤモンド社の宣伝プロモーション担当は、「外に出られない子どもが一日中ゲームやYouTube漬けにならないよう、少しでも知識になる本を読ませたいという親御さんの気持ちがあるのだと思います。また、休校でお孫さんをあずかることになった、おじいちゃん・おばあちゃんが、面白い歴史の本を買って、お孫さんと共通の話題で楽しみたいという需要もあると聞いています」と語る。

 子ども向けの歴史マンガで、2月29日の売り上げが前々日の6倍にもなったのが、実業之日本社の『ねこねこ日本史』「もし日本史の偉人たちが猫だったら」というコンセプトで、聖徳太子や織田信長、坂本龍馬がかわいい猫として描かれたシリーズ累計100万部の人気コミックだ。現在NHK・Eテレでテレビアニメが放送中、2月22日から映画館で劇場版の長編アニメ『映画ねこねこ日本史 龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!』も公開されている。

 実業之日本社の編集担当は、「2月から劇場版の公開に合わせて各書店でフェアを実施していただいていたおかげで、休校中のお子さんが退屈しないよう1~8巻の全巻セットを購入する親御さんが多いと聞いています。キャラクターのかわいさで、お子さんからの支持が熱い『ねこねこ日本史』ですが、じつは大人からも歴史ギャグのネタのするどさで人気がある作品。この機会にお子さんに「歴史好きになってほしい」と願う親御さんの需要もあるのではないでしょうか。編集部に送っていただくファンレターを読むと『ねこねこ日本史』で歴史にハマり、大河ドラマやお城巡りを一緒に楽しむようになった親子は多いですよ」と語る。

 『東大教授がおしえる やばい日本史』『ねこねこ日本史』も基本はギャグがメインで、ページをめくるたびに笑える構成になっている。共通の趣味で親子の絆が強くなり、一緒に笑うことで免疫力アップも期待できるなら、自宅待機のストレスも乗り越えられるかもしれない。