ますます盛り上がりを見せるeスポーツ業界。プロゲーマーとスポンサー契約を交わすなど、参入する企業が増え「ビジネスとしての可能性」にも注目が集まっている。
この状況を、プレイヤー、そして企業はどう見ているのか。当事者の代表として、『世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0』の著者ときど氏と、『eスポーツマーケティング 若者市場をつかむ最強メディアを使いこなせ』でも紹介されたeスポーツ運営企業・CyberZ代表の山内隆裕氏に、プロゲーマーが活動を継続するために不可欠な、企業のサポートをテーマに語ってもらった(構成:小沢あや)。

スポンサーは「ゲームの強さ」だけを見ていない

CyberZ代表 山内隆裕(以下、山内) プロゲーマーの立場から、ときどさんが「eスポーツ、盛り上がってきたな」という手応えを感じるようになったのはいつ頃からですか?

ときど 僕が参加する格闘ゲームのジャンルで、賞金1000万を超える大会が海外で開催され始めたのが5年前。その頃から、テレビの出演依頼も増えてきました。ゲーマーではない、普通の人から街で話しかけられるようになったのも、ここ数年のことです。
業界の急拡大に関しては、僕たちプロゲーマーが頑張ったというよりは、企業が注目してくれたことが大きいですね。今から十数年前には、日本には「プロゲーマー」という職業だって存在しなかったわけですから。

――ときどさんに最初のスポンサー企業がついたきっかけは、なんだったのでしょうか?

ときど 最初は何をしたらわからなかったので、自分でいろいろな会社に「スポンサーになってください」とメールを書いて、お金を出してくれる会社を探していました。ようやく1社返事をもらったのがアメリカのTシャツ屋さん。スポンサー契約中は、その会社のTシャツをネット通販や試合会場で手売りで販売していました。

次にスポンサーになってくれたのは、マッドキャッツというアメリカのゲーム周辺機器メーカー。彼らが僕を選んでくれた理由は、ゲームが強いだけではなく、ネット生配信番組を通じてコミュニティに大きな影響力があると判断されたからとの事でした。
今では「配信する」のがプロゲーマーのメインの仕事のひとつになっていますが、僕が始めた10年前は、やっているプレイヤーがまだ少なかったんです。ゲームセンターの店長だった総師範KSKこと今井恵介さん、僕とマゴ選手が3人でやっていたくらいでした。日本ではインフルエンサーという言葉もまだ広がっていなかったなかった頃ですからね。マッドキャッツとしては、ただ単にゲームが強いだけではなく、「継続的に情報を発信していて、ファンコミュニティとの接点があるゲーマー」であることを買ってくれたようです。

山内 今も毎週インターネット配信しているのは強いですよね。それだけ固定ファンがいるということだし、何より続けているのがすごい。継続のコツってあるんですか?

ときど 毎週水曜日の21時〜、決まった時間に配信していて、基本的に年中無休です。今年は元旦が水曜日でしたが、休みませんでした。
続けるコツは、とにかく自分自身が楽しんでやることです。ちょっとでも負担に感じてしまうと、続かないですからね。事前準備すると大変なので、配信はいつもぶっつけ本番です。