「ニュースを見るのは1日1回まで」と決めよう

――ウイルスの「パンデミック(世界的大流行)」をもじった「インフォデミック」という言葉もありますね。そうした「情報中毒」を避けるために、どんな対策が考えられますか?

 最もシンプルなのは、メディアをチェックする「頻度」を限定することです。たとえば、「ニュースアプリやSNSをチェックするのは、1日1回、決められた時間だけにする」。

 もう一つおすすめなのは、やはりマインドフルネスです。不安というのは「渦」のような性質を持っていて、一度そこに入ってしまうと、もうそれしか目に入らなくなってしまいます。

 ですから私も、患者さんには「2メートルくらい離れて、不安の渦を『外』から見ているイメージを持ちましょう」と言っています。「世の中が不安にとらわれているなあ」「みんな心配そうだなあ」と、社会を傍観するようなイメージです。手洗い・消毒・うがい・外出自粛などの感染予防策を講じることは、社会の一員としてもちろん必要ですが、どこかに「傍観者」としての自分をもっておかないと、あっとういうまに不安の渦に巻き込まれます。

 このような俯瞰的な視点を持つうえでは「呼吸瞑想」が有効です。これは最もオーソドックスなマインドフルネスの方法で、とても手軽にできるので、毎日の10分程度の習慣にするといいですね。こちらも動画をご紹介しておきます。