便利だが、感情が見えづらい……
オンライン商談のメリットとデメリット

 では、そもそも「オンライン商談」でできることは何なのか。まずはメリットとデメリットを整理してみましょう。

 オンライン商談には、「営業の移動時間が不要」「商談時間の短縮化」といった特徴があります。うまく使いこなせれば、次のようなメリットがあるといえます。

●効率的に商談を設定し、1日あたりの商談数を増やすことができる
●営業担当者が「あんちょこ」やお手本トークを参照しながら話せる
●画面共有機能を使って、効果的なプレゼンテーションやデモができる
●オンライン同席や録画へのフィードバックなど、上司の指導も効率的になる
●お客様にとっても、必要なやり取りのみで済めば、お互いの時間を効率化できる

 一方、便利な点だけではありません。当然ながら、オンライン商談にもデメリットがあります。

●お客様のITリテラシーが高くないと、進行がスムーズにいかない
●熱意や気持ちを伝えたり、感情に訴えかけたりするのが難しい
●まだ打ち解けていないお客様との関係を構築しづらい
●画面の向こう側にあるお客様の反応がつかみづらい
●話を聞いているだけの参加者は集中力を維持するのが大変

 特に、オンライン商談を始めたばかりの営業担当者から聞く悩みは、「お客様の反応がつかみづらい」ことです。これは、普段の対面商談でも、手持ちの資料を最初から最後までざっと説明して、「ご不明点はありませんか」という進め方をしている人に起こりがちな問題です。

 人が高い集中力を保てるのは15分間といわれています。五感が制限されるオンライン商談で一方的な長い説明をしてしまうと、お客様が途中でついてこられなくなります。最悪の場合、画面の向こう側で別の仕事をされかねません。