これを機に、一市民として政治や社会を変えるために声をあげることの意義を問う
これまで、整理法1にあった間接的にできること(気軽に政治や社会活動に参加、皆で政治や社会を変えよう)には触れませんでしたが、これは、平時・有事問わず大切なことです。なぜなら、今回の新型コロナ危機は、人の命がかかった国家的な緊急課題であり、冒頭に示した通り政治的な要因が市民の精神的苦痛の程度を大きく左右するものだからです。
日本では、「政治の話はタブー」「行動しないで批判だけするのは良くない」「専門家以外は口を出すべきじゃない」「そんなことも知らないのか、出直してこい」という声をよく耳にします。しかし、これら全て間違った考えです。なぜなら、人の可能性と能力をつぶし、自信を失わせ、思考停止に追い込み、これが社会全体の後退と劣化につながるからです。
素人でも知識が少なくてもいいので、正々堂々と批判・提言し、必要に応じ行動する。これは、民主主義の下で暮らす市民の義務でもあり権利です。これが、政府のまずい動きの軌道修正を導き、弱者に対する公的サポートを充実させ、結果的に自分そして愛する人たちの命と心を守るための最善の策につながり得ます。
いずれにせよ、今回のコロナ危機は、個人の生き方や価値観だけでなく、社会の在り方、そのための政治との向き合い方について深く考え、変えるべきところは大胆に変えるための絶好の機会になることが期待されます。