ブレることも大切

――自分のスタンスを決めても、私は後でよくブレてしまいます。ブレを防ぐにはどうしたらいいですか?

三浦 ブレることも大事。スタンスを決めたからブレることもできるんです。例えば就活生だったとして、エンタメ業界を目指すと決めたとする。でもいくつか会社を見てみると、芸能界には興味がないな、やっぱりゲームだなとか。数字にうるさいところは無理だなとか。ブレるということは、自分の本音オブ本音。スタンスを決めないとその本音は出てこない。そのブレを見つめることがすごく大事です。それをわかった上でそのスタンスを貫くのか、私って意外とこうだったんだと気づいて方向転換するのか。

――私はブレることに罪悪感がありました…。

三浦 罪悪感を感じる必要なんて全くないです。僕だって「変化と挑戦」と言いながら、やっぱり予算欲しいなって思うことだってある。でもブレながら、自分が本当に大切にしたいもの、貫きたいものが見えてくる。

 その場で質問に答えながら論旨をまとめ、最後にバシッと心に刺さる言葉を残す三浦氏の頭の回転の速さに、多くの参加者は感動したようだった。
 著者が読者と直接会話する機会は意外と少ない。非常時でも行えるオンライン読書会のようなイベントは貴重だ。読者が地方にいても参加できるという点は、リアルのイベントにはない利点である。今後、このようなイベントはますます活気付いていくのだろう。

「自分の書いた本について、直接意見を聞けるのはいいですね。人間は自分のことが一番わからない。外見は鏡を見ればわかるけど、心は鏡がないからわからない。
ある人が言ってたけど、読み終わった後に自分の心の変化を取材するのが大事。その次に感想を書く。そして著者に届ける。その3ステップが読書には大切。それをまさにできるのがオンライン読書会だと思います。ただ読むよりもかなり深く著者の思いが届く。たとえ、その読んだ本がつまらないと思ってもいい。本を読むことで自分の何が変わってくるかという反応の角度を楽しめればいいと思います」(三浦氏)

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