一方、COVID-19に焦点を当てた新規治療薬の開発も進められている。武田薬品工業は、米国のCSLベーリング社などと共同し高度免疫グロブリン製剤を開発中。今月8日には、その共同体の参画企業が10社に拡大したと発表した。今後、開発スピードをより加速させるという。塩野義製薬も2020年度内に新規抗ウイルス薬の治験開始を目指すことを発表している。
そのほかの国内医薬品企業のCOVID-19関連の動きとしては、ワクチンや診断薬・検査キットの開発に複数社が名乗りを上げており、後者については既に販売されているものも少なくない。さらにアカデミア発の新しい動きとしては、北里大学のグループがSARS-CoV-2の中和能を有する抗体の取得に成功したと、今月7日に発表した。今後、治療薬や検査薬の開発につながる可能性があるという。
なお、海外に目を転じると、米国からはCOVID-19治療に期待された抗マラリア薬の「クロロキン」に関して、食品医薬品局(FDA)が副作用に注意喚起する見解を発表した。COVID-19パンデミックの緊急性を背景に、安全性や有効性の検証が不十分なまま、さまざまな治療を試みる動きがあるとも報道されている。国内での新薬開発の迅速かつ安全な進展が期待される。(HealthDay News 2020年5月11日)
ギリアド・サイエンシズ株式会社
https://www.gilead.co.jp/
富士フイルム富山化学株式会社
http://fftc.fujifilm.co.jp/
中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/
武田薬品工業株式会社
https://www.takeda.com/ja-jp/
塩野義製薬株式会社
http://www.shionogi.co.jp/
北里大学
https://www.kitasato-u.ac.jp/jp/
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