新型コロナウイルス感染症の感染拡大は抑制されつつあり、感染第二波も見据えた慎重な「出口戦略」が模索されているが、世界恐慌以来最悪と言われる「コロナ恐慌」が本格化するのはこれからだ。しかも、「恐慌第一波」が回復したあとに襲来する「恐慌第二波」のほうが破壊的であることは、世界恐慌の歴史が証明している。ところが、現下の日本政府の動きから、「残念ながら、『恐慌第二波』が襲来する可能性は高い」と中野剛志氏は危惧する。その理由を論じていただいた。

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「コロナ恐慌第二波」という人災が起きるメカニズムとは?

 新型コロナウイルス感染症については、感染の拡大が抑制されつつあり、感染者数を一定水準以下に抑え込んだ後の措置の緩和(「出口戦略」)についての議論が始まっている。

 その一方で、出口戦略への移行の後に再び感染が拡大するという、いわゆる「第二波」に対する懸念も指摘されている。1918年に流行した「スペイン風邪」においても、合計三回の波があり、特に「第二波」が最も深刻な被害をもたらした。こうした歴史的な経験も踏まえ、今回の新型コロナウイルス感染症に関しても、安易な措置の緩和をしないよう、慎重な出口戦略が模索されている。

 しかし、ほとんど議論されていないことだが、我々は、「パンデミック第二波」に加えて、もう一つの危険な「第二波」に対する警戒も強めなければならない。

 それは、「恐慌第二波」である。

 現在、言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、世界恐慌以来最悪と言われる「コロナ恐慌」に見舞われている。ところが、この「コロナ恐慌」が終わった後、再び、「恐慌」が襲ってくるのだ。これが「恐慌第二波」である。

 ただし、「恐慌第二波」が起きるのは、「パンデミック第二波」によってではない。むしろ、パンデミックが制圧され、経済活動が正常化した頃にこそ、「恐慌第二波」が起きる危険性が高まるのである。

 では、「恐慌第二波」は、どのようにして起きるのか。