今までの常識が通用しないコロナ危機
安定企業もリスク内包

 例えば、資金繰り危険度ランキングで2位となったのは対流動負債現預金比率が3.61%にとどまる神戸電鉄。通常であれば鉄道会社は日銭が入る商売で、手元に多くの現金を抱える必要はない。だが、人の流れが細る世界では経営が揺らぐ可能性も出てくる。

 社債依存度の上位を見ると、いずれも優良企業ばかりだ。こうした企業がすぐ危機に陥る恐れがあると主張したいわけではない。

 ただ、名門企業とされながら社債依存度を高め、銀行と疎遠になったシャープは、銀行との意思疎通が遅れたこともあり、経営悪化で外資の軍門に下った。今後コロナ禍で市場が動揺した際に、社債市場からの資金調達が難しくなるリスクは念頭に置いた方がよい。