まだ企業側にも自覚症状があまりなく、顕在化していない将来の危機をあぶり出すために九つのランキングがある。一つより二つ、二つより三つランクインする方が潜在的なリスクは高いはず。こうした観点から3メガバンクの大口融資先を診断した。

 九つのランキングで100位以内に入った回数が多い順に、同じ回数の場合は借入金額が大きい企業を上位として並べている。帝人やスズキ、武田薬品工業や三井化学、神戸製鋼所や日本航空といった企業が各メガバンクの融資先リストの上位に顔を出している。

 コロナ禍の行方が定まらず、企業の売上高が消失する世界で、与信を判断することは極めて難しい。だが、企業は銀行の助けを必要としている。

 こうした企業のリスクをどのように評価し、メインバンクとして寄り添っていくのか。難しいかじ取りを迫られるが、銀行の存在意義が今ほど問われている時代はないだろう。

訂正 記事初出時から以下の点を訂正しました。 
固定費比率上昇度ランキング:3位のマルハニチロを削除し、以下順位を一つ繰り上げ、5位に
東京センチュリー 業種:その他金融 メインバンク:みずほ 固定費比率上昇度:8.8 固定費増加率:137.4 2019年固定費比率:19.3
が入ります。
人件費比率上昇度ランキング:2位のマルハニチロを削除し、以下順位を一つ繰り上げ、5位に
セコム 業種:サービス メインバンク:三菱UFJ 人件費比率上昇度:8.0 人件費増加率:60.3 2019年人件費比率:34.8
が入ります。
5段落目の「固定費比率・人件費比率上昇度でそれぞれ3位、2位となったマルハニチロもそうだ。食品は不況時でも安定したビジネスというのは常識だった。だが、飲食店向けの販売が落ち込んだままの状態が続けば、収益はどうなってしまうだろうか」を削除。(2020年6月11日 8:59 ダイヤモンド編集部)