テナント店や百貨店比率が高い企業は
路面店より売り上げの入金が22.5〜45日遅れる

 1点目は、日銭が入らないテナント店や百貨店の比率が高いことだ。

 路面の独立店舗だったら現金決済分が即、手元資金になる。だが、商業施設内店舗は月の前半と後半の2回締め。前半は固定家賃や共益費など固定費用が差し引かれて当月末に、後半は家賃の売上歩合部分など変動費用が差し引かれて翌月15日に入金されるのが一般的だ。

 平均すれば22.5日分、日銭が回る独立店舗より資金繰りが不利になる。消化仕入れ取引の百貨店も毎月の締め後支払いだから、商業施設よりさらに2~4週間、売り上げの入金が遅れる。

 これがクレジットカードなどキャッシュレス決済の場合、独立店舗ではアクワイアラや決済代行業者との直接契約になるため、月末締めの翌月末入金が一般的だから平均45日、現金決済より入金が遅れることになる。ただ、金利や手数料を負担すれば15日程度の早期入金サービスも利用できる。

 一方、商業施設内店舗の場合、運営会社(デベ)がアクワイアラと包括加盟契約をしているから売上金はいったん、運営会社に振り込まれる。そこからテナントに支払うとさらに22.5日遅れるため、テナントに入金するまで2カ月以上を要する。それではテナントの資金繰りが厳しくなるから、立て替えて先払いする運営会社も半分程度あると聞く。

 キャッシュレス決済の手数料もテナント店舗を圧迫しており、デベ包括契約の決済手数料率は直接契約より1.5ポイント以上高く、駅ビルのハウスカードなどは5%にも達する(百貨店では百貨店側が決済手数料を負担する)。国を挙げてのキャッシュレス化と“なんちゃらペイ”(スマホのコード決済)の氾濫に、コロナ感染の恐怖も加わって現金決済は急激に減っているから、商業施設店舗の比率が高いと資金繰りはますます苦しくなる。

 百貨店や駅ビルなど、日銭が回らずコストも高い商業施設に偏った出店をしてきたアパレルがコロナ休業でどれほどダメージを受けたか、想像に難くない。

 いざという事態を考えれば、最低でも2割ぐらいは日銭が入り自由に営業できる独立店舗を確保しておくべきだったのではないか。