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家族性高コレステロール血症は心疾患患者に多い可能性 

 家族性高コレステロール血症(FH)は、生まれつき血中コレステロール値が高い遺伝性疾患で、患者数は世界で約2500万人に上ると推定されている。そんな中、米国心臓協会(AHA)が発行する「Circulation」6月2日号に掲載された新たな研究で、特に、心血管疾患患者でFHの有病者が多いことが明らかになった。この論文の著者の一人で英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の臨床研究フェローであるAntonio J. Vallejo-Vaz氏は、「FHの早期発見に向けたスクリーニングプログラムの必要性が強く示された」としている。

 Vallejo-Vaz氏らは今回、一般人口と動脈硬化性心血管疾患患者におけるFHの有病率について報告した欧州や米国の研究データを用いて、何百万人もの人を対象に解析を行った。その結果、一般人口では311人当たり1人がFHであることが明らかになった。

 この研究には関与していない米スタンフォード・ヘルスケアの臨床看護の専門家でシニア・スカラーのMary Ann Champagne氏は、「この論文がFHの有病者数をはっきりと示しているのは確かだ」と指摘。その上で、「私がこの領域に携わるようになった当時、FHの有病率は500人当たり1人と推定されていた」と振り返る。

 また、FHの頻度は、心筋梗塞などの心血管疾患の患者では17人当たり1人にまで上昇し、その頻度は一般人口と比べて18倍高いことも示された。その一方で、FHであるのに、医師によってFHと診断されている人の割合は10%未満に過ぎないと推定された。

 FHでは“悪玉コレステロール”であるLDL-コレステロール(LDL-C)値が上昇し、血管にプラークが蓄積することで徐々に血管の内径が狭くなる。米国心臓病学会(ACC)とAHAの脂質管理ガイドラインによると、LDL-C値が100mg/dL以下の人は心疾患や脳卒中の発症率が低く、「LDL-C値は低ければ低いほど良い」とする考えを支持する結果が研究で示されているという。