例えば、コミュニケーションスキルは、表現力と構成力に分解できる。表現力は、顔の表現、声の表現、体の表現、さらに顔の表現は、目の表現、口元の表現、顔全体の表現というように細分化できる。目の表現は、相手を見つめる秒数や、相手から目をそらす目線の方向というように、これ以上分けることができないパーツに分解する。

 そして、相手を見つめる秒数というパーツスキルを反復演習して、その場で発揮できるようにし、それができたら、目線をそらす方向をコントロールできるように反復演習する。

 構成力は、相手に説明する際の説明構成力と、相手の話を聞いて返答する際の返答構成力に分解できる。返答構成力よりも説明構成力のほうが、短時間で習得して発揮できるようになる人が多いので、説明構成力から修得することがお勧めだ。

説明構成力の7手法をマスターすれば
ストレスを軽減できる

 説明構成力は、さらに7つの手法に分解できる。

(1)経過手法は、時系列で説明する方法だ。よかれと思って結論から話していると、「順を追って話してください」と言ってくる人がいる。そういう人との円滑なコミュニケーションやストレス解消に役立つ。(2)分解手法は、話の内容を分解して、ここが一番大事だということを話す手法だ。「だから何を言いたいのですか」と言ってくる人に効き目がある。

(3)逆算方式は、行き着く先を示してから、そこから逆算して説明する手法だ。「それでどうなるのですか」ということを言いがちな人に対して使うとよい。反対に、(4)積上方式は、現在の状況の延長線で話をしていく。「次に何をすればよいのですか」ということを言ってくる人に活用する。

(5)重要度、(6)緊急度、(7)貢献度で構成する手法は、最も重要な点、緊急な点、貢献できる点を説明する方法だ。「何が実現できるのか」「初めにやるべきことは何か」「どういう意味があるのか」ということを聞いてきがちな人に対して繰り出す話法だ。

 説明をしていると、相手から「順を追って話してください」と言われたり、相手によっては逆に「だから何を言いたいのですか」と結論を問われたりするものだ。相手との会話を思い起こすと、これらの7つのうちどの話法が合いそうか、見当がつくという演習参加者が多い。対面でもリモートでも2時間の演習で、これらの話法が繰り出せるようになる。

 実際にスキルを身に付けた演習参加者からは、「相手とのコミュニケーションがやりやすかった」「ストレスを感じなかった」「コミュニケーションが苦にならなくなった」という感想を頂いている。久しぶりの出社、対面コミュニケーションに強いストレスを感じたならば、一度立ち止まって、自分のコミュニケーションの取り方を振り返ってみてほしい。