大阪モデルは数値で機械的に色が変わる
前知事は選挙戦との関係を指摘
小池知事が東京アラートを発表したのは5月15日で、レインボーブリッジを普段は虹色にライトアップし、東京アラート発令時には真っ赤に染め上げる計画を示したのは翌週の22日。これでは大阪のマネをしたと指摘されても仕方あるまい。
ただし大阪モデルでは、(1)~(3)の数値に合わせて機械的に点灯する色が変わるため非常にシンプルだ。東京アラートのように基準が不明なまま発令されるのとは異なる。見た目が単純でも、発令の基準が不明確であったことさえ、都民の多くは理解していなかったのではないか。
小池知事は、東京アラートを発令から10日しかたっていない6月11日に廃止。12日には休業要請も緩和して経済重視にアクセルを踏み込んだ姿勢を見せたうえで、同日夕方に都知事選への再選出馬を表明した。舛添要一前都知事は6月11日にツイッターで「『東京アラート』解除。明日からステップ3。麻雀店、パチンコ屋、キャバレー、ナイトクラブ、カラオケなども再開。接待を伴う飲食店とライブハウスは18日まで自粛要請。都知事選公示が18日、選挙戦のスタートとタイミングが見事に合っている」と指摘した。
ライバル都市のマネをし、テレビ映えを狙ってレインボーブリッジを真っ赤に染め上げて都民の危機感をあおったが、休業による都民の経済的なダメージを気にしてか、選挙が近づくと一気に自粛要請の緩和にかじを切る──。そんな小池知事の姿勢が浮かび上がるが、7月5日投開票の都知事選はテレビ討論会も開催されず、議論はあまりに低調である。