相手を乗せる

 英語のリスニングをしている際、固まってしまう人が多いです。アイコンタクトもそれほど得意ではなく、話す側から見ると、まるで石像のように見えてしまいます。聞き手の反応が見えず、興味を示してくれていると感じられなければ、しゃべる方は意欲を失い、もういいや、と切り上げてしまうかもしれません。大きな損失です。

 ですから、いちいち大げさにうなずき、合いの手を入れましょう。気持ちよく話してもらい、できるだけ情報を引き出しましょう。それが問題解決につながれば相手のためにもなります。

 相づちは、アゴを5センチ以上押し込むくらい、おおげさにうなずくのが望ましいです。これは、「あなたの英語を、言っていることを、きちんと理解していますよ」というサインでもありますが、同時に、「あなたの話はとても興味深い」ということを示し、相手がもっとしゃべりたくなる雰囲気を作ります。インタビュー動画などを見ていると、インタビュアーは、これでもかというくらい大げさに頷いていますよね。

 ネイティブ同士はそこまで派手なリアクションを取らないという人もいますが、それは、文脈を共有している母国語同士の会話だからです。私たちは、文脈や非母国語のハンデを乗り越えてコミュニケーションしようとしているわけです。使える技はすべて駆使してわかりあう方が有効でしょう。「ネイティブはこうだ」というのは絶対ではありません。異文化同士の通信手段として最適な方法を選べばよいのです。

 合いの手は、「Right」「Yes」「Really?」といった常套句を組み合わせながら、要所要所で突っ込んでいきましょう。「Right」「Yes」と言ったからといって、合意していることにはなりません。日本語の「なるほど」「確かに」が、必ずしも全面的肯定を意味しているわけではないのと一緒です。

 よく使う合いの手をいくつか紹介しましょう。

 Right:1つだけ覚えるのなら、これがおススメです。日本語でいう「確かに」といった感じです。フォーマルな言い回しとしても、カジュアルな場所でも使えます。
 Uh—huh:これも王道です。聞いているよ、というリアクションです。
 Oh, really?:日本語の「本当ですか」という合いの手に似ており、本当に疑問を持っているわけでないけれどビックリしました、といった意味に使えます。
 Sure:「そうだね」「当然」といった感じの合いの手です。
 That’s good.:「それはそれは」といった感じの合いの手です。