「できないことがメリットになる」、
それがライフキネティックの面白さ
ライフキネティックの1つ1つは単純な動きですが、それらを組み合わせると、できないかもしれません。しかし、できないことでやめる必要はなく、難しいからといってあきらめるのは論外です。なぜなら、「できないことがメリットになる」、それがライフキネティックの特徴だからです。
運動も勉強も反復練習の繰り返し。「できるまでやる」必要があるから「できなくてつらい」思いをします。しかし、ライフキネティックでは、「できないほうがよい」のです。
そして、ライフキネティックは、まったくと言っていいほど、運動量を必要としません。子どもからシニア世代まで同じ動作で行えるのも特徴の一つ。本書にはさまざまなエクササイズが登場しますが、代表的な「パラレルボール」「ボールダンス」はぜひ挑戦してみてください。たった1回でできたらあなたはすごいです!
人間は脳と身体の老化に抗えないのか?
人は例外なく、誰もが老いていくものです。老いによる代表的な事故は自動車事故ではないでしょうか。ドイツでもブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えるなどの事故は多いようです。しかし、ライフキネティックによって、シニア世代による自動車事故の減少を実現させています。
これだけにとどまりません。脳の老化といえば、「認知症」が想起されます。医療の進歩で少しずつ認知症のことはわかってきていますが、ライフキネティックがある効果を発揮しているのです。本書で紹介するヘルムート・バルゲル氏のエピソードは、ライフキネティックを知るドイツ人のなかで広く知られる有名なエピソード。認知症の奥さまの認知能力が上がったことで、電話やチャイムに反応するようになり、家族の思い出話を語れるようになったそうです。
それ以外にも、脳卒中の後遺症のリハビリや、ADHD(注意欠如・多動性障害)の治療の手段の1つとして、広く採用されています。
ライフキネティックは人生を楽しむ無限の可能性を秘めているのです。