英国の環境保護団体は以前より、ペットとして飼われているネコにより捕獲される、鳥類や小型哺乳類、爬虫類などの野生動物の数に懸念を表明している。ネコが殺す野生動物の数自体は多くの場合、極めて少ないにしても、ペットとして飼われているネコの頭数の多さから、捕獲される小動物や爬虫類の数は相当数に上ると考えられるからだ。それならネコを家から出さなければよいのかというと、事はそう単純にはいかない。なぜなら、ネコの本能を尊重する人と、自然環境の保全を優先する人の間で、ネコの飼い方についての意見が一致しないからだ。
そのような状況の中、現在進行中のCrowley氏らの研究「Cats, Cat Owners and Wildlife」は、ネコにとっても、狩猟対象となる野生動物にとってもベネフィットとなるネコの飼い方を特定して、この問題を解決することを目指している。今回の研究では、過去のアンケート調査で得たネコの飼い主48人の回答や、新聞に掲載された投書の中から、外をうろついたり狩りをするネコの行動とその管理法に関して、合計157件の陳述が集められた。そのうちの62件の陳述を研究対象として採用し、Q方法論を用いて、ネコに対する飼い主の見方と、最良の飼い方に関する見解について調査した。
その結果、この件に関するネコの飼い主の見方には、5つの明確なタイプがあることが明らかになった。