通信業界の投資判断は
最上位から一気に最下位へ

 直近でマイナス方向に影響した代表的な業種が情報通信。以前から通信料金の引き下げを標榜する菅氏が首相になったことで、KDDI、ソフトバンク、NTTドコモの携帯キャリア3社の業績には暗雲が垂れ込めている。

 携帯料金引き下げは前々からくすぶっていた話ではあるが、菅氏の改革の「本気度」を考慮し、菊地氏のチームは直近の同セクターの投資判断を修正。これまで3段階の最上位の「オーバーウエート」だったが、一気に最下位の「アンダーウエート」へ引き下げた。

週刊ダイヤモンド10月24日号表紙

 菊地氏は「菅首相はマクロ経済の姿を語るのではなく、分野を絞って集中的に取り組む特徴があり、投資戦略もミクロ視点から考えざるを得ない」と指摘。「規制改革に重点を置くため、規制改革推進会議で議論されてきた論点に注目している」と話す。

 一方、菅氏の政策がプラスに働きそうなのが陸運や空運だ。菊地氏はコロナ禍に苦しむ両業界に関し、「観光業促進による地方振興をライフワークとする菅氏が何らかの追加支援策を打ち出す可能性もある」とみて、投資判断をアンダーウエートから中立に見直した。

 今後もスガノミクス相場では、菅氏の政策の方向性を注視して臨むべき点を念頭に置いておきたい。