減塩効果のない高血圧には腸内細菌叢が関係――金沢大
高血圧の予防や治療には減塩が重要だが、減塩しても血圧管理上のメリットを得られない人の存在が知られている。そのようなケースに、腸内細菌叢のパターンが影響を及ぼしている可能性が報告された。金沢大学大学院医薬保健学総合研究科の長瀬賢史氏、同医薬保健研究域保健学系の岡本成史氏、同融合研究域融合科学系の米田隆氏らのグループの研究によるもので、詳細は「Frontiers in Medicine」に9月2日掲載された。
減塩による血圧管理上のメリットを得られない場合の原因として、遺伝的な影響、腎疾患の存在、食事摂取量が多いことなどが指摘されているが、十分には明らかになっていない。一方、近年、腸内細菌叢のパターンの違いが、多くの疾患の発症や経過に影響を及ぼすことが報告されており、血圧へも影響を及ぼし得ることが動物実験の結果として報告されている。ただし、ヒトを対象とした研究報告は限られている。