スタートアップのフェーズ感と人的資源の関係
スタートアップがスケールするには、どのような人事施策を打っていくべきだろうか。まずはその概要を確認したい。
下図表のスタートアップのフェーズの違いを見てほしい。縦軸は人事施策を、横軸はスタートアップのフェーズをPre-Seed、Seed、SeriesA、SeriesB、Pre-IPO、Post-IPOの6つに分けている。フェーズごとに、どんなHRに関連するCSF(重要成功要因)があるかを示している。以下では、これらのCSFの中で、代表的なものを取り上げていく。
まずは、スタートアップのフェーズが進むにつれて、どういう人材が必要かを考えたい。以下は、フェーズごとにどういった人材課題があり、どう対応すればよいのかを解説する。
サイドプロジェクトで始める
初期の初期、まさに立ち上げのPre-Seedの時期は、起業を志す仲間(もしくは一人)で、事業仮説を構築したり、顧客の話を聞いて検証するといったことは、いわゆる本業でなくとも「サイドプロジェクト」で十分に対応できる。
サイドプロジェクトとは、本業以外の空いた時間でプロジェクトを生み出すことを指す(下図表)。グーグルは、サイドプロジェクトを企業で導入している。「80:20ルール」がそれだ。社員に業務時間の20%を本業と関係のないサービス開発に充てるよう奨励する仕組みだ。
これはグーグルがサイドプロジェクトによる新規事業創造のポテンシャルを理解しているからこそ行っている取り組みだ。