ワークマン製品に隠された
他人に「紹介しやすい」仕掛け

御立:商売は考えようによっては単純で、星の数ほどある商品の中から、何を誰にどう売るがひと言で言えないと勝てません。ワークマンの場合、そこがすごくクリアです。
まだ、アンバサダーという仕組みが社内でできる前に、YouTubeやブログでワークマン製品のユニークな使い方を紹介してくれる人たちが現れたと聞きました。

土屋:2016年頃、屋外作業員向けにつくった防水防寒ウェアが突然売れ出しました。
調べてみると、一般のバイクユーザーが買っていたのです。屋外の過酷な環境で働く作業服なので、防寒性・防水性が高く、同時に汗を逃がす高透湿性も備え、さらに軽量で動きやすい。それが冬場のツーリングにも最適と口コミで広がっていった。
また、「コックシューズ」が不思議な売れ方をしたことがあります。これはもともと厨房で働く人向けに開発した靴で、水まわりでもすべりにくい。この靴がなぜか一般女性に売れていました。調べてみると、「すべりにくいので妊婦に最適」と利用者ブログで紹介されていたのでびっくりしました。

御立:もちろん、御社の製品が素晴らしいから口コミで広がったり、ブログで紹介されたと思いますが、加えて「紹介しやすい」という長所もあると思います。基本的にワークマン製品には高機能・低価格という明確な「ものさし」があります。

土屋:はい。

御立:購入者は、どの点が高機能なのか、どのくらい低価格なのかという問いを投げかけられているのと同じです。
その穴埋め問題に答えるような気分で、YouTubeやブログで情報を発信します。
さらに応用問題として、別のオケージョンで使ったことを報告します。
先ほどの「屋外作業員向けなのにツーリングに使ってみたらよかった」「厨房で働く人向けなのに妊婦さんが使ってよかった」というメッセージです。見た人にも伝わりやすい。アンバサダーの動画が共感を得やすいのも、この点が関係していると思います。