親が問題を解いていると、
子どももやってみたくなる
――ところで、未就学児のうちから幼児教室などに通わせて勉強をはじめさせるご家庭も多いです。教育熱心な親の「子どもが勉強しない」と悩む声もインターネット上にあふれていますが、そのことについてはどう思われますか。
てぃ先生 僕の知り合いに官僚の方がいて、お子さんが2人とも東大に入られたんです。もちろん遺伝子の影響もあるとは思いますけど、「どうやって子どもに勉強させたんですか?」と聞いたことがありました。そうしたら、「リビングに本を置いていただけで勉強を教えたことはないけど、子どもがどうしても机に向かわないときは、自分が宿題を解いてみせた」とおっしゃっていました。
たとえば学校のドリルを子どもがやりたがらないとき、「じゃあパパがやってみようかな」と2、3問解きはじめると、子どもは自分のドリルだから自分でやりたくなるんですよね。
親がいくら「勉強しなさい」「やりなさい」と命令しても、子どもが自分から勉強したいとはなかなか思いません。でも、親が自分の勉強内容に興味を持って、楽しそうに問題を解いている様子を見ると、子どももやってみたくなる。
僕は子どもたちに勉強をやらせたことはありませんけど、その知り合いの話を聞いて、子どもが興味を持てば勉強だってやるようになるんだなと思いました。
――「勉強したらゲームしていいよ」というような、ご褒美でやる気にさせる“ニンジン作戦”についてはどう思われますか。
てぃ先生 僕は、ご褒美で釣るのはあまりいい方法でないと思っています。なぜなら、「勉強はご褒美ありき」が当たり前になってしまう場合が多いと思うからです。子どもが勉強そのものに興味を持って、自分からやりたいと思わない限り、やる気は続かないですよね。
もちろん親の考え方次第なので、ご褒美を与える場合もあると思います。そのときも、おもちゃとかゲームとか、勉強に関係ないご褒美より、勉強に関係のある本や子どもが好きなキャラクターの文房具などのほうがいいと思います。そうすれば、勉強を楽しむモチベーションも上がりますよね。