これらの問題について述べはじめると、ハッキリ言ってキリがない。世界でいろいろな試算が出されているが、この手の未来予測を含んだ試算は大抵、政治的な思惑で前提となるパラメーターにいろいろな形で細工が施されており、ほとんどアテにならない。やってみなければわからないというのが正直なところだろう。

 そういう論考はさておき、電動化推進でにわかにホットな話題となったのが日本独自規格の大衆商品、軽自動車である。

「軽自動車は車体が小さく、コスト削減要求も厳しいため、電動化が難しい。電動化の波を乗り切ることができず、規格自体が消滅するのではないか」という見方が浮上している。

軽自動車の電動化は
進むのか

 しかし、この論調、自動車分野のウォッチングを生業のひとつとする筆者にとっては違和感だらけだ。コロナ禍でやたらと喧伝(けんでん)されているニューノーマルの機運に乗じて「軽自動車をなくしたい勢力が情報戦を仕掛けているのではないか」とさえ思える。

 今から15年もの時間的余裕があるのに「軽自動車のEV化やハイブリッド化ができない」などということはちょっと考えられないし、「軽自動車が300万円になる」などという見方に至っては噴飯モノとしか言いようがない。

 では、軽自動車のハイブリッド化、EV化はどのように進むのだろうか。現在提案されている技術をベースに予測してみよう。

デイズ ハイウェイスターマイルドハイブリッドの「デイズ ハイウェイスター」。ハイブリッドというだけなら今でもすでに軽への適用が進んでいる Photo by K.I.

 現在、軽自動車にはマイルドハイブリッドを自称するモデルが複数存在するが、さすがにそれらをもってして「ハイブリッドでござい」と強弁するのは通らないであろう。

 それらはいずれも出力2kW程度というごく小規模な電気モーターをつけたもの。アシスト機能もあるにはあるが、本来ならマイルドより小さなマイクロハイブリッドに区分したほうがスッキリするくらいで、CO2削減効果も限定的だ。

 ということで、15年後には軽自動車もエンジンを使わず、バッテリーの電力だけで走行可能なストロングハイブリッド化が要求されることになるだろう。

 これが「軽終焉論の根拠」のひとつになっているのだが、近い将来のクルマづくりの変化にかんがみて、実はこれも大して難しくないのではないかと思う。