「自分の外にある何か」に縛られるのではなく……

――目覚まし時計をかけないというのは驚きです。

 いえ、一度だけ、出張先で寝坊したことがあります。これにはひやっとしました。なんとか飛行機には間に合ったけれど、スッピンでホテルを飛び出しました。だから出先のときは目覚ましをかけています。偉そうなこと言っていますが完璧にはいかないものです(笑)。

 でも普段、目覚ましがなくても起きられるのは、きっと責任感みたいなものがあるからです。講演やラジオの収録、執筆も、私以外に、「やっておいてください」とお願いする人がいません。だから、とにかく必死で時間と向き合って生きているんです、当たり前のことなんですけど。この環境があるからこそ、時間に厳しくなれるんです。

 また、私は本当に決まりごとが嫌いなので、決まった時間に寝て決まった時間に起きるという規則正しい生活をしてるわけじゃないんです。6時間ぐらい睡眠をとったら自然に目が覚めるようです。体の中に時計があって起きてるという気がします。

 タイムマネジメントって自分の外に目覚ましがあってスケジュールがあって、「自分の外にある何か」に縛られてやることではないと思うのです。「自分の中にある何か」を自分で自在に操りながら、つくっていくものなんです。それがストレスなく、いちばん確実な方法だと私は思うし、つまりは、それが自己管理というものだと思います。