英単語はそこそこ知っている。文法もそれなりに分かる。にもかかわらず、英語が聞こえない、通じない、会話が続かない日本人が多いのはなぜでしょうか? 国際ヘッドハンティング会社のアジア支社長を務め、現在、シンガポール国立大学で世界の留学生たちに英語コミュニケーション術を教える著者は、その理由を「日本人の英語の勉強法が間違っているから」だと言います。香港生まれで、東京外国語大学の日本語学科を首席で卒業した著者は、「日本語の言語学的特性」を熟知した上で、日本人が最速で英語を身に付ける方法を考案し、これまでに多くの日本人をペラペラにしてきました。そのメソッドを初公開し発売即重版となった話題の書が「7時間で英語が突然ハッキリ聞こえて会話が続く本」です。本書の中から、カタカナ英語と中学英語だけで、驚くほど会話がはずむようになるコツをお伝えしていきます。

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現代に必要とされるのは「簡単で分かりやすい英語」

 正確な英語を話さないと恥ずかしいと思っている人のために、世界のグローバル企業でネイティブも含め数多くの人と仕事をしてきた私が、英語をめぐる現在の状況をお話ししましょう。

21世紀の英語には以下の特徴があります。

1 英語が母国語ではない国でも、ビジネスでは英語を主言語として使うことが多くなった。
2 発音は、イギリス英語でもアメリカ英語でもない。なまりがあっても通じればよい。
3 難しい単語や言い回しを使わず、簡単で分かりやすい言葉や言い回しで簡潔に伝えることによるコミュニケーション能力が重視される。

 本書でもお話ししたように、今、世界の英語スピーカー15億人の中の4分の3は英語を母国語としないノン・ネイティブ・スピーカーであり、それが世界標準です。それぞれが少しずつなまりのある英語を話し、コミュニケーションしています。日本人は日本人なまりの英語で会話をすればいいのですが、それを「恥ずかしい」と、つい思ってしまう人のために、ある1つの事実をお話ししましょう。

正確な英語よりも堂々とした態度が重要!

 かつて私がヘッドハンティング会社の社長をしていた頃の話です。日本人のCEO候補者をアメリカの大手企業に紹介するという案件がありました。

 候補者のA氏との事前面談では、英語で自己紹介をした後は日本語でビジネスの話をしましたが何を語るにしても堂々としていて、非常に立派なリーダーだと確信し、自信をもってクライアントであるアメリカ本社に紹介しました。A氏は、アメリカ人の社長との面接でも文法的に正しい丁寧な英語で話をしていました。

 もう1人の候補者であるB氏は、ビジネスに関してはA氏にひけをとらない、やはり立派なリーダーです。ですが、英語に関しては相当日本人なまりが残っていました。英語を話す時も日本語のときと同じスタイル(口調)、キャラクターでどんどん話を進めていきました。

 結局、この2人のうち、選ばれたのはB氏でした。A氏の英語は丁寧で間違いのないものでしたが、日本語で語るときには自然と出た貫禄が、英語では出なかったのです。

それにくらべてB氏は言葉が多少つたなくても、話すスタイルは変えていないので、面接のときに非常に貫禄が出て、相手によいインパクトを与えることができました。その後、B氏はこの外資系の会社で大いに活躍し日本支社の社長として大成功をしました。

日本人なまりに誇りをもとう!

 この話で伝えたいのは、なまりはあってもよいし、多少言葉に自信がなくても引け目を感じることはない、ということです。英語を話す時には、とにかく通じればOK。自分の性格やスタイルまで変える必要はありません。多少、言葉がつたなくても、誠意をもって話せば、あなたのキャラクターや想いは、十分、相手に伝わります。でも、正確に話せないからと話さないままでは、あなたのキャラクターは誰にも理解されません。

 実際、世界で活躍しているビジネスマンの中には、わざとなまりを直さないで「自分はフランス人だから」「インド人だから」という誇りをもって堂々とふるまっている人がたくさんいます。ぜひ、彼らの態度をみならって日本人であることに誇りをもって、世界に接してください。