現在の生活保護法は「3」に該当する。しかし、生活保護法が施行された1950年からの70年にわたる時間の流れは、「3」を時代遅れにしつつある。またこの間、貧困の拡大と格差の固定が進行した結果として、親族による扶養を含め、「自助」の余地は激減している。

 なお、「1」~「3」の類型化と整理は、生活保護制度を創った厚生官僚・小山進次郎氏が1950年に刊行した著書『生活保護法の解釈と運用』に掲載されているものである。「4」は筆者が追加した。当時の世界の社会保障の最先端というべき達成は、70年の時間が経過しても色褪せていない。生活保護での扶養の考え方は、次のように示されている。

「公的扶助に優先して私法的扶養が事実上行われることを期待しつつも、これを成法上の問題とすることなく、単に事実上扶養が行われたときにこれを被扶助者の収入として取り扱うものである」

 1950年の最先端は、2021年現在、さらなる洗練へと向かっているだろうか。

DVや虐待を客観的に
証明することは可能か

 2月26日に厚労省が発した通知では、扶養義務を求める意味がない場面の類型が明確化された。この場合は扶養照会を行わなくてもよいため、福祉事務所の負担は軽減されると期待したい。

 ところが内容を見てみると、これまでの「長期入院患者・働いていない人・高齢者・たとえば20年間音信不通など関係が途絶えている人」に、「扶養義務者に借金を重ねている、当該扶養義務者と相続をめぐり対立している等の事情がある、縁が切られているなどの著しい関係不良の場合等」が加えられ、音信不通の場合は「10年程度」と短縮されたのみである。