カリスマ性も人間的魅力も
いっさい不要のマネジメント論!
部下やスタッフを持つと、これまでの仕事の延長ではなくなり、「まったく別次元の能力」が必要になるのです。それが、「マネジメント能力」です。
リーダーがフォーカスすべきなのは、「5つのポイント」だけです。それが、「ルール」「位置」「利益」「結果」「成長」です。これだけに絞ってマネジメントをします。カリスマ性も、人間的魅力も不要です。
日々の仕事をこなしていると、人間関係や仕事上のトラブルに見舞われ、「リーダーとしてどう振る舞えばいいか」迷うときが来ます。
そんなときこそ、この5つに立ち返るのです。そうやって「5つのポイント」だけを見て他のことを考えないようにすることを、本書では、「仮面をかぶる」と表現します。
「素顔」で疲れ果てるか
「仮面」で生まれ変わるか
ポイントを押さえた声がけやルール設定、評価をし、メンバーが最終的にちゃんと成長する。優しい言葉をかけて、その場だけ「いい人だ」と思ってもらっても、その言葉は、頭に残りませんし、後から効いてもきません。
「尊敬されたい…」 「『すごい』と思われたい…」
そういった「素顔」を見せないのが「仮面」の力です。
自分らしく素顔のままでいたいと思うかもしれません。しかし、上司や部下、夫、妻、子どもらと接するときには、それぞれ言葉遣いや表情、態度、言動が変わってくるはずです。
というより、変えなくてはいけないものです。
仮面は、あなたを守るものでもあります。人間関係の衝突をなくす盾となり、他人からの攻撃を受け流してくれます。リーダーの仮面をかぶって仕事を進めて、人から嫌われたとしても、それはあなたの人格が否定されたわけではありません。
本書の内容に沿って、1つ1つ、リーダーの言動の誤りを正していきましょう。すると、かならず組織はうまくいきはじめます。まだ会社組織の悪いしがらみで頭が固くなっていない「今」だからこそ、本書の方法を学んでいただきたいと思います。
リーダーの仮面 CONTENTS
序章 リーダーの仮面をかぶるための準備
感情的なリーダーが犯した失敗
いかなるときも「個人的な感情」を横に置く
「5つのポイント」だけで別人のように変われる
序章の実践 プレーヤーから頭を切り替える質問
第1章 安心して信号を渡らせよ ―― 「ルール」の思考法
「自由にしていい」はストレスになる
ルールは「誰でも守れる」が絶対条件
「リーダー失格」の行動とは何か
「ダメなルール」はみんなを混乱させる
実践 「姿勢のルール設定」をやってみる
第2章 部下とは迷わず距離をとれ ―― 「位置」の思考法
ピラミッド組織を再評価しよう
位置によって「見える景色」が異なる
「お願い」ではなく「言い切り」で任せる
ストレスのない「正しいほうれんそう」をしているか
「これパワハラ?」問題を乗り越える
リモートによって「あいた距離」を維持しよう
実践 「正しいほうれんそう」をやってみる
第3章 大きなマンモスを狩りに行かせる ―― 「利益」の思考法
部下の「タテマエ」を本気にするな
どこまで行っても「組織あっての個人」
「集団の利益」から「個人の利益」が生まれる
リーダーは「恐怖」の感情を逆に利用する
事実だけを拾い、「言い訳の余地」をなくしていく
健全なる「競争状態」をつくる
実践 「言い訳スルー」をやってみる
第4章 褒められて伸びるタイプを生み出すな ―― 「結果」の思考法
他者の「評価」からは誰も逃げられない
リーダーは「プロセス」を評価してはいけない
「いい返事」に惑わされるな
リーダーがやるべき「点と点」の管理術
「結果」を元に次の目標を詰める
実践 「点と点の目標設定」をやってみる
第5章 先頭の鳥が群れを引っ張っていく ―― 「成長」の思考法
「不足を埋める」から成長が生まれる
チームが成長するとき、必ず起きていること
「変わった気になる」を徹底的になくしていく
実践 「とにかく一度行動させる」をやってみる
終章 リーダーの素顔
もっとも「人間」を追求したマネジメント
リーダーは「逃げ切ろう」とするな