時代や環境変化の荒波を乗り越え、永続する強い会社を築くためには、どうすればいいのか? 会社を良くするのも、ダメにするのも、それは経営トップのあり方にかかっている――。
前著『戦略参謀の仕事』で経営トップへの登竜門として参謀役になることを説いた事業再生請負人が、初めて経営トップに向けて書いた骨太の経営論『経営トップの仕事』がダイヤモンド社から発売。好評につき発売6日で大増刷が決定! 日本経済新聞の書評欄(3月27日付)でも紹介され大反響! 本連載では、同書の中から抜粋して、そのエッセンスをわかりやすくお届けします。好評連載のバックナンバーこちらからどうぞ。

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事業が低迷状態に陥ってったのは、
これまで得られてきた貴重なデータを放置してきたから

 低迷状態、低成長にある企業では、思い付きのアイデアの連打ばかりの消耗戦や、あるいは毎年、前例踏襲の施策ばかりが続いていることがよくあります。

 これは、市場の実態を理解しようとできず、いわゆる市場起点のPDCAが廻っていない状態であることが理由です。市場と事業の実態を示す情報、データは、かなりのことがわかるレベルのものが社内に眠っているものです。

 低迷状態に陥っているのは、これまでの事業活動から得られてきた貴重なデータを、忙しさを言い訳にして、本来、見るべき角度から見る努力や工夫をすることなく、放置してきただけなのです。

 これらを、適切な見るべき形に「見える化」することも、定型業務におけるPDCAを廻すために重要な「業務定義」の一つです。

 たとえば、店頭POPの例では、顧客の購買行動を、B to Cビジネス成功のために「時間軸」上で捉えたRVAPSサイクル(図表)における、店前から店頭にまで近づけるステップの効果です。

 このPOPが店頭に掲示された時に、POPに表示されている商品の売上がどのくらい変化したかを見れば、POPがどれだけ、店頭まで人を運ぶ効果があったかがわかります。

 このような因果をファクトとなる数字でどれだけの変化が起きたのかを明らかにして、強い因果を見出していければ、事業運営はかなり楽になっていきます。