今までの成功体験だけで勝負しつづける限り、
平均的な利回りを超えることはできない

 また、不動産ユーザーにも大きな変化が起こっている。

 特に米国においては、昨今のシェアリング・エコノミーによる市場構造の刷新(ディスラプション)やミレニアル世代、Z世代の志向するライフスタイル、リモートワーク社会への適応を行う必要が出てきており、従来型の大家では立ち行かなくなってきている。

 今求められている生活スタイルやワークスタイル、はたまた家族像や子育て、教育といったテーマに、どうアプローチしていくのか?

 つまりエンドユーザーである住人やテナントは「何を」求めているのかを敏感に察知して、大ヒットする映画ならぬ、ロングラン不動産をプロデュースする必要がでてきているのだ。

 そこにはオポチュニティ(機会)ももちろんある。今までのように資本があるプレイヤー、または先祖代々土地を受け継ぐ地主でなければ不動産投資では勝てない、という図式が崩れつつあるからだ。

 知恵と創造性、後述する「資産運用の未来予想図(プロ・フォルマ)とてこの原理(レバレッジ)」を用い、そして多少の勇気があれば、勝てる時代になりつつある。

 逆を言えば、既存の枠や今までの成功体験だけで勝負しつづける限り、平均的な利回りの枠を超えることもできないし、ともすれば、昨今の激動のマーケットの中で倒れてしまうかもしれない。