よそ者の「強み」をマネジメントに活かす
ひとつ、確実に言えるのは、
“よそ者”には“よそ者”にしかない強みがあり、メリットがある
ということ。そして何よりも重要なのは、
どうすれば、どういう意識で臨めば“よそ者”の強みを活かし、
“よそ者”ならではのイノベーションを生み出すことができるか
という「よそ者ゆえの方法論」を知ることです。
ここで「よそ者リーダー」が身につけたい3つの心構えとマネジメントを紹介します。
(下図を参照ください。書籍『「よそ者リーダー」の教科書』より引用・作成しています)
書籍では、私がこれまでの経験から得た方法論、“よそ者リーダー”の心得であり、思考法であり、マネジメントであり、実務における注意点を、できるかぎり具体的に、失敗談も織り交ぜながらまとめました。
天賦の才能と個性を兼ね備えたカリスマ、MBA取得者やコンサルティング会社出身など豊富な知識と経験を持つ切れ者、大企業の出世頭──そんな優れた才を持って企業のトップに就いている方々を見るにつけ、「凡人」の自分に何ができるのだろうと不安を覚えることもありました。
しかし、恵まれた才能があってもそれを事業運営に活かせず、あえて厳しい言い方をすれば、凡人並みの経営すらできないまま消えていく人も少なくありません。
逆に私と同じように(失礼)、ごく普通のキャリアと実績しか持たない「凡人」の中に、見事な経営手腕で成功を収めている方が大勢います。
一見地味で目立たないリーダーシップの中に、組織を良い方向へ導くヒントが隠されている。
凡人には凡人としての経営のポイントがあり、そこに成功の芽がある。
そうした「凡人経営者の仲間」との交流から得た多くの学びも、私にとって貴重な財産になっています。
私もこれまで、経営理論やマーケティングの本を読み漁ったり、学生時代のテキストを振り返ったり勉強会に参加をしたりもしました。しかし今振り返ると、もっと実践的なノウハウを学んでおくべきだったと思っています。
だからこそ、同じような立場に悩み、不安やプレッシャーを抱えながらトップとして経営の舵を取ることになったみなさんに、実際の現場で役に立つアドバイスがしたいと考えました。
私が積み重ねてきた数々の経験や失敗、接してきた経営者仲間の姿──カリスマの成功譚(たん)やビジネススクールでは学べない「凡人リーダーの、よそ者リーダーの、現場での経験知」を何かしらの参考にしていただけたら幸いです。
(次回より、具体的な「心構え」や「マネジメント」についてお伝えします。お楽しみに)