大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始めた。その10年後に資産1億円を達成、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした。著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、年代別の投資指南から最強の投資先10銘柄に至るまで、“初心者以上マニア未満”の個人投資家に再現可能な投資法を徹底指南している。
エル流「最強の10銘柄」②
【前回】からの続きです。
③コストコ・ホールセールス(COST)
日本でもビジネスを展開している有料会員制の小売り量販店で、景気に左右されにくい生活必需品セクターです。小売りチェーンというカテゴリーで、売上高は世界最大のウォルマート(WMT)に次ぐ2位であり、時価総額も同じく2位となっています。
ウォルマートとの違いは、「有料会員制」であること。収益の柱は会費なので、取扱商品を絞ったうえで、調達コストとほぼ変わらない低価格で提供して会員を増やしています。飛行機の格納庫を改造した店舗が発祥で、その流れをくむ大型の倉庫型店鋪で商品陳列や在庫管理にかかるコストを削減しています。
④ロッキード・マーチン(LMT)
世界最強の軍事力を誇るアメリカで、最大手の軍用機メーカーです。売上高のおよそ7割がアメリカ政府向けとなっています。もしアメリカ政府が軍事力を削減すると経営的に大きな打撃を受けますが、軍事で台頭している中国への対応が求められていますから、その心配は中長期的にもなさそうです。
なかでも、最新鋭ステルス戦闘機「F-35ライトニングⅡ」はロッキード・マーチンが中心となって開発されており、米軍向けだけで2000機以上の調達が進められています。日本の自衛隊も100機以上の購入を決めており、調達価格は1機116億円。
「軍事産業に投資するのはちょっと気が引ける」という人もいるかもしれませんが、米国株に投資するETFの多くはロッキード・マーチンにも投資していますから、ETFへの投資は間接的にはロッキード・マーチンへの投資を意味しています。
⑤マコーミック(MKC)
マコーミックは世界最大の調味料メーカーです。なかでも市場規模2000億円とされるアメリカでナンバーワンの売上を誇る圧倒的トップブランド。日本ではユウキ食品が販売元となっており、マコーミックブランドの商品はスーパーなどで見かけられます。北米のみならず、イギリスやフランスでも3~5割のシェアを占めています。
景気に左右されにくい生活必需品セクターであり、スパイスやハーブなどの調味料は「食」の基本ですから、今後もビジネスは堅調と予想しています。連続34年間増配の強さもあります。マコーミックは私と相性のよい銘柄で、これまで何度か売ったり買ったりを繰り返していますが、そのたびに大きな利益が出ています。
⑥ホームデポ(HD)
ホームデポは世界最大のホームセンターです。アメリカ国内を中心に大型店舗を2200以上展開しています。
アマゾン・ドット・コムが進出すると、俗にいう“アマゾン・エフェクト”で大打撃を受ける業界や市場は多いのですが、ホームセンターはその影響をもっとも受けにくい業界の1つとされています。単に商品を売るだけではなく、専門知識を持ったスタッフがDIYの相談に応じるなど、ノウハウの提供が利用者にとって大きな魅力だからです。
ホームデポは、オンラインでも100万点の品揃えを誇っていることが強みです。新型コロナの蔓延以降、アメリカではDIY需要が増えており、客単価も増えています。最近ではDIYだけではなく、アウトドア用品や園芸用品なども売上を伸ばしています。