就活本に初めて「自己分析」の考えを取り入れた本として
13年連続大学生協第1位のベストセラーを誇る『絶対内定』シリーズ。
ただ内定をとるためだけではなく、「心から納得のいく進路が見つかる」「本当にやりたい仕事がわかる(やりたいことに気づける)」「自分らしく働ける会社と出合える」「入社してから『こんなはずじゃなかった』と後悔しない」ための1冊であることが大きな特徴だ。
キャリアデザインスクール「我究館」のもつ、9800人以上におよぶ就職・転職指導の経験を活かしたノウハウが、このシリーズには詰まっている。
コロナ禍で価値観が大きく変わるなか、会社選びも大きく変わってきている。
自分らしい働き方とは、生き方とは…、
今、じっくり自分と向き合う時間を『絶対内定』と過ごす就活生が増えている。
一方で、残念ながら、不本意な就職をせざるを得なかったという人も激増しているという。
今回は、納得のいく就活をするために一番たいせつな「夢」についてお伝えしていく。
(構成/藤本健司、ダイヤモンド社・朝倉陸矢)

なぜ「不本意就職」してしまうのか?<br />納得のいく就活をするために一番たいせつなことPhoto: Adobe Stock
我究館・藤本健司館長 藤本健司(ふじもと・けんじ)
我究館館長
千葉大学教育学部卒業後、(株)毎日コムネット入社。営業に配属され、2年目に優秀社員賞、3年目に社長賞を受賞。2012年「世界の教育問題に対峙したい」との思いから、青年海外協力隊としてケニア共和国で活動。3年間、JICAや現地の省庁と連携し、児童福祉施設における情操教育やカウンセリングに携わり、「人は志や気づきによって大きな成長を遂げられる」ことを実感する。2016年より(株)ジャパンビジネスラボに参画。我究館学生校の主担当コーチとして大学生をサポート。外資系投資銀行、コンサルティングファーム、総合商社、広告代理店など、難関企業に多数の内定実績がある。

きみは漫然と生きていていいのか

人間には、自分の夢を次々と実現し、心の底からの達成感を何度も何度も味わいながら生きていく人がいる一方で、その時その時は頑張っていたけれど、結局自分として納得できることはできていないという人もいる。生き生きと目標に向かって輝いて生きている人がいる一方で、毎日大して面白くない日々を漫然と過ごしている人もいる。

その差はいったい、何だろうか。

答えは簡単。まずは本気の夢があるか、ないか。そして次に、それを実現するための戦略と勇気があるか、ないかだ。

「どういう人生にしたいのか、自分はどうなりたいのか、何を達成したいのか」

それが、あるのかないのか。そして、その思いはどれほど強いものなのか。

多くの人は、心からの夢や本当にやりたいことを持っていない。とりあえずの「与えられた目標」や「何となくやりたいこと」には向かっていても、心の奥底からの本気の思いに突き動かされて、本気で生きている人は極めて少ない。それが現状ではないだろうか。

自分はどうなりたいのか

今、きみはどうだろう。

「夢は何ですか?」

と尋ねられて答えられるだろうか。

「その思いは、どれほど強いものですか?」

と尋ねられて、「本気度100パーセントだ」と答えられるだろうか。

これは学生に限ったことではない。社会人になっても、いい歳になっても、否、歳をとればとるほど、人生をその場しのぎ的に過ごしてしまっている人は少なくない。会社などの組織の目標や、置かれている環境における義務(当面やらなければいけないこと)を自分の目標や夢にすり替えて日々を積み重ね、あとから「俺の人生は何だったのか」と悔いる人が少なくないのが現状ではないだろうか。

人生は長いようで短い。

大学時代がアッという間に過ぎたように、残りの人生も明確な夢や目標を持って生きなければ、大きな充実感を得ないまま過ぎてしまうだろう。

「いつかは俺の人生を本気で生きるのだ」

と思っているうちに歳をとり、気がつけば腹の回りにたっぷり脂肪をつけて、そのうちそんな思いさえ忘れていってしまうだろう。

「そんなこと言っていられるほど人生は甘くない」

というセリフを、自分の甘さをごまかす隠れ蓑みのにしていくのだろう。

僕はそんな人生は嫌だ。そんなオヤジにはなりたくない。一度しかないのだから、誰が何と言おうと、充実させたい。きみもそう思わないか。

のんきなことを言っているつもりはない。むしろその正反対だ。

夢を描き、それに向かって生きることは、社会を知り、己を知り、「自分と社会のあるべき姿を本気で追求すること」にほかならないからだ。

実力より、まずはイメージ。「なりたい自分」を想像しよう

自己分析とか、自分と向き合うとか、ビジョンを描くとか、分かるようで分かりにくい言葉に振り回されてはいけない。

一番大事なことは、自分がどうなりたいのか、どうなっている自分が自分にとって極上なのか、その時きみはどんな気分だろうか。今ここで瞳を閉じ、映像をフルカラーで鮮明にイメージしてみよう。感じてみよう。

ウソ偽りなく「こうなりたい」という映像が浮かぶか。「この気分だ」と心から素直に思い震える気分を感じられるか。

その「絵」がある人は、世の中で1パーセントにも満たないだろう。しかしその鮮明な絵を持つ人のほとんどはそれを実現していくだろう。少なくとも僕は、これまで鮮明な映像をイメージできて、実現できなかったことは一度もない。どんなに無理なことであっても。逆に、映像が描けずに実現できたことは一度もない。

魂から湧き出る映像を持つことだ。