半導体写真はイメージです Photo:PIXTA

国際分業からブロック化
経済安全保障を掲げ“有志国連合”

 グローバル化のもと、国際水平分業の象徴だった半導体産業の合従連衡が大きく変わろうとしている。

 米国政府が「中国デカップリング(切り離し)」で国内製造回帰に方針を転換、素材や部品などのサプライチェーンの構築でも同盟国に連携を働きかけている。米中対立のリスクに対応するように台湾や韓国の有力メーカーが開発・生産拠点の分散化に動き出し、日本も6月4日には、これまでの自前路線から海外メーカーの最先端工場を誘致し有志連合を形成する新たな半導体戦略をまとめた。

 米中“新冷戦”が現実味を帯び、産業政策にも経済安全保障が色濃く影を落とすなか、かつての「ブロック経済」を彷彿させる囲い込みの動きが加速する。

半導体協力で手形切った韓国
サムスンなど米国に工場建設

 バイデン政権が「中国包囲網」形成を進めるなか、たて続けに行われた日米、米韓の首脳会談。軍事安全保障の面での対中連携が前面に出たなかで、もう一方の主役が半導体問題だった。