比較項目に時間の流れを表す「矢羽」をプラス
左に中国、右に日本の対応を配置し、項目ごとに左右での比較構造を保ちつつ、上から下への流れを示すために、項目の表現に矢羽を使用しました。下図を見てください。
流れを示す項目の中に、「場所」「期間」「経過観察」などの、待機中の詳細としての“並列の要素”があるので、その項目は点線でのエリア分けと背景色を別にする工夫をして、理解しやすくしています。
これは視線が上から下へ流れるパターンですが、矢羽を使って比較と流れを同時に表す配置は他にも可能です。もう1パターンを作成してみました。
左から右に流れる矢羽の別パターン
もう一つの例として、上下にそれぞれの国の対応を配置し、比較項目を間に示した図を作成しました。矢羽の中に入った文章には視線が集まりやすく、ブロック化により一覧性が強調されます。ただし、中に入れる文章はできるだけ短く、読みやすいところでの改行を行いましょう。下図を見てください。これで完成です。
常に視線がどう動くかを意識する
図解には様々な「型」がありますが、テーマによっては型を複数合わせてよりわかりやすく伝える場面も出てきて、図が複雑になることもしばしば起こります。推考する時間が確保できるときは、見る人の立場になって何度も見返すことが重要です。
例えば、一画面の内容を把握するのに、あちこちに視線を動かさないと理解できない図では役目を果たしません。ポイントは下記です。
①行間や図形同士の余白が適切か?⇒くっつきすぎも離れ過ぎもNG
②比較したい要素同士の距離が適切な配置になっているか?⇒配置が遠いと比べにくい
③文字組が統一されているか?⇒縦組み横組みの混在は、スムーズな視線の動きを止めてしまう
比較の図に限らず図解の基本ですが、いずれの場合も「視線の動きに逆らわない」ように気を配りましょう。
左右に配置? 上下に配置?
比較の配置では、よく左右に配置するべきか、上下に配置するべきか、に迷うことがあります。よく「人間の目は横配置なので左右交互に見比べるのが楽」といわれます。
確かに、左右を見比べる時、真ん中に比較項目があれば、「左⇄右の比較と項目の認識がしやすい」といえるでしょう。「左右の配置」は比較の中でも使いやすい構造です。
とはいえ、比較するなら左右が一番、というわけではありません。たとえば、図を載せる媒体の面の比率で判断するのも有効です。16:9の比率のスライドに入れる場合、縦に長い比較図が使いにくい時もありますし、細長いスマートフォンの画面で見る可能性を考えて、比較する要素を上下に配置することもあります。
身近でも渡航の際の苦労話などをよく耳にしますが、今回の参考記事や資料から、この状況に真摯に立ち向かう各国の動きを改めて感じました。
日本も水際対策が日々強化されていることが、各省からの情報がどんどんアップデートされていることからもわかります。
刻々と変わる情勢、複雑になる仕組み。耳に入る情報を処理するのに疲れる瞬間も多々あります。こんなときだからこそ、図解を頭の整理や情報の共有に活かしてみませんか?